医学よもやま話

医学情報をご提供します。

胆石と腎臓結石の比較

advertisement

食物繊維は胆石のリスクを低くするが、腎臓結石のリスクを高くする。

****

f:id:tpspi:20170807140041g:plain

Photo: 食物繊維の過剰摂取は腎臓結石ができやすい

 

胆石

肝臓は消化を助けるために胆汁を作り出す。胆嚢は肝臓で作られた胆汁を蓄える働きがある。

胆石は胆汁に含まれている成分が胆管又は胆嚢で固まったものである。

胆汁はコレステロール、水、脂肪、タンパク質、及びビリルビンでできている。ビリルビンは黄褐色の色素である。胆汁にコレステロール又はビリルビンが過剰に含まれると胆石ができる。肥満やコレステロールや脂肪を多く摂取すると胆石ができやすくなる。女性は男性と比較して胆石ができやすい。

胆石では症状がなく、多くの患者は気づかない。時間の経過とともに胆石が大きくなると、胆管を塞ぐようになる。胆石が胆管を塞ぐと痛みが生じる他、炎症や感染症などの合併症が起こることがある。これらの場合は胆石の除去が必要である。

胆石の除去には胆嚢の摘出は不要であるが、胆石が頻繁にできる場合は、胆嚢摘出が推奨される。胆嚢を摘出しても、消化に問題は生じない。

胆石の主な症状は吐き気、多汗、悪心、発熱、悪寒、肋骨下の痛み、肩甲骨間の痛みである。胆石で胆管が閉塞すると、黄疸が現れ目や皮膚が黄色になる。

黄疸や悪寒を伴う発熱がある場合は胆石の重大な合併症状が現れているため、直ちに治療を受ける必要がある。

胆石ができるリスクを避ければ胆石を予防することができる。そのため、食事に気をつける。油やコレステロールの多い食物は控え、繊維質を多く含んでいる食物を摂取する。さらに、減量することにより胆石のリスクが低くなる。

 

腎臓結石

腎臓は血液を濾過し、老廃物や過剰な水分を体外に排泄する。腎臓にミネラルが蓄積すると腎臓結石が起こる。この病態の主要な原因は水分摂取の不足である。

腎臓はミネラルを処理するために水を使用する。体内に十分な水が無いと腎臓はミネラルを処理できず、蓄積により、腎臓結石が生じる。腎臓結石のこの他の原因としては肥満、遺伝、食事、年齢、カルシウム・サプリメントがある。男性は女性と比較して腎臓結石ができやすい。

胆石と同様に、腎臓結石も無症状であり、時間の経過とともに、腎臓結石が尿管を塞ぐと、痛みがでる。ほとんどの場合、水分を十分に摂取することにより、腎臓結石は自然に体外に排出される。腎臓結石が大きすぎる場合や合併症が起きる場合は、砕石術により腎臓結石を除去する。

胆石と同様な症状が現れる他、腎臓結石では断続的に痛みが現れ、尿に血が混じることがある。

腎臓結石では、脱水症状にならないようにすることが重要である。水を多く飲むように心がけ、パセリ、ほうれん草、イモ類など、シュウ酸塩を多く含んだ食物を控える必要がある。(注1)

 

まとめ

  • 胆石も腎臓結石はそれぞれ胆嚢と腎臓に石状の物質が存在する病態であり、大きくなると臓器の働きを妨げ、激痛が生じる。炎症や感染症を起こした場合は、除去しなければならない。
  • 女性は男性より胆石ができやすく、男性は女性より腎臓結石ができやすい。
  • 食物繊維は胆石のリスクを低くするが、腎臓結石のリスクを高くする。

参考文献

John Hinson, “Gallstones vs. Kidney Stones – What’s the Difference?”, Florida Medical Clinic

注1: “Oxalic Acid Content of Selected Vegetables”, Agricultural Research Service, United States Department of Agriculture