医学よもやま話

医学情報をご提供します。

無気肺と気胸の違い 

advertisement

肺の一部又は全部が潰れる病態と、胸膜腔に空気が貯まる病態。

****

f:id:tpspi:20170805114900g:plain

 

Image: 気胸における周辺臓器の状態

Credit:  “Pneumothorax What Is a Pneumothorax or Collapsed Lung Video About com

 

無気肺

無気肺は片方の肺の一部又は全部に影響を及ぼす肺組織が潰れた病態である。この病態では酸素を体の組織に送り出すことができなくなる。

無気肺は気道閉塞により肺胞が潰れることにより生じる。肺胞は薄い膜で覆われ、血液が供給されている。

肺胞は酸素と二酸化炭素を交換するために重要な役割を担っている。気道が粘液、異物、または腫瘍で塞がれると、肺胞には空気が満たされなくなり、患部は潰れてしまう。

無気肺は胸や腹部の外科手術の後遺症として呼吸をすると胸や腹部に痛みがでる場合に生じることがある。

症状として息切れ、心拍数や呼吸数の増加が見られる。さらに酸素濃度の低下によるチアノーゼが生じることもある。

治療方法としては深い呼吸を行うことと気道における障害物の除去があげられる。

——

気胸

気胸は胸部や胸膜腔に空気やガスが溜まり、肺の一部又は全体が潰れる疾患である。

通常、肺にかかる圧力は肺周辺の胸膜腔の圧力より大きいが、空気が胸膜腔に入った時、胸膜の圧力が肺の圧力より大きくなると、肺の一部又は全体が潰れてしまう。気胸は一時的又は外傷によるものである。

気胸が急に起こったり、原因が不明の場合を自然気胸と呼ぶ。この病態は20から40歳で背が高く痩せ型の人に多い。気腫、嚢胞性線維症、結核、などの肺疾患患者では自然気胸のリスクが高くなる。

外傷性気胸は事故や胸腔穿刺術や人工呼吸器など胸腔に行われた治療による外傷により生じる。

緊張性気胸は外傷、慢性肺疾患、又は治療の合併症による重篤で命にかかわる病態である。緊張性気胸では、空気は胸郭に入るが、出ることができない病態である。胸膜腔の圧力が高まり、肺が完全に潰れてしまい、心臓と血管を押し付けてしまう。

症状として息切れ、胸痛、空咳、肩、首、腹部の痛みが現れることがある。

自然気胸では治療は不要であるが、大きな気胸ではカテーテルや胸腔チューブで空気を抜く。重度の場合は胸腔鏡を使用した外科手術が行われる。

 

まとめ

  • 無気肺は片方の肺の一部又は全部に影響を及ぼす肺組織が潰れた病態である。
  • 気胸は胸部や胸膜腔に空気やガスが溜まり、肺の一部又は全体が潰れる疾患である。

参考文献

Gale Encyclopedia of Medicine, The Gale Group, Inc.

Richard W. Light, “Atelectasis”, “Pneumothorax”, MSD Manual Professional Version

Pneumothorax What Is a Pneumothorax or Collapsed Lung Video About com