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運動の健康へのメリットとデメリット

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運動による健康のメリットはデメリットより遥かに大きい。

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Photo:  中度の運動としての水中エアロビクス

Credit:  “Water Aerobics Total Body Strengthening & Cardio AQUA WORKOUT#1 - WECOACH”, Water Exercise Coach

 

運動のメリット

多くの研究から中程度又は激しい運動を継続して行うと、年齢に関係なく、健康が向上することが判明している。代謝疾患、成人病、ガンなど様々な病気のリスクを下げることができ、転倒、認知障害、年令に応じた筋肉の減少、及び鬱病をも減らすことができる。

運動により股関節骨折、肺癌、子宮内膜癌、及び睡眠障害が軽減し、加齢による体の衰えを遅らせることができ、高齢でも自立した生活が送れる。

 

中度と激しい運動の例

中度の運動としてはウオーキング(1時間に5km)、水中エアロビクス、自転車(時速16km未満)、テニス(ダブルス)、ガーデニングなどがある。

激しい運動としては競歩、ジョギング、ランニング、競泳、テニス(シングルス)、自転車(時速16km以上)、縄跳び、重度の庭作業(穴掘り、鍬を使う作業)、重装備の登山がある。

 

運動の効果の独立性

肥満の喫煙者は心臓病、高血圧、その他様々な病気のリスクがあるが、このような人でも運動の効果が得られる。

 

運動不足と病気の関係

臨床研究から運動不足になると健康上の問題が起こることが明確になっている。心臓病による死亡率は2倍に増加し、ガンによる死亡率は29%増加している。

 

運動による健康への効果

運動を行うことにより高齢者に見られる体調不良や体の機能の衰えを防止できる。多くの研究から家に閉じこもりがちの高齢者が運動することにより体調が良くなり(エアロビクスにより有酸素容量が向上する)、歩行が遅くなるなどの体の機能の衰えが改善することが判明している。

一般的に、臨床的に顕著な機能の衰えが現れる高齢者において運動の効果は大きい。バランストレーニングを行うと歩行やバランス機能が衰えた高齢者が転倒するリスクが低下する。

 

運動による傷害のリスク

運動には当然リスクを伴う。筋骨格傷害が最も起こりやすく、傷害のリスクは運動の種類と運動量に比例する。

傷害のリスクは運動量の増加率に正比例する。筋骨格損傷歴があったり健康状態が良くないと損傷のリスクが高くなる。

しかし、行動的であるか否かにかかわらず、激しい運動により突然死や心筋梗塞のリスクが急激に増加する。心筋梗塞の5から10%は急激な運動で生じている。

 

健康の効果は損傷のリスクより大きい

運動をすることにより心臓突然死や心筋梗塞のリスクを低下させる。行動的な成人は突然死のリスクが70%低下している。

 

まとめ

  • 病気にかかっている人でも、このような人でも運動の効果が得られる。
  • 運動を行うことにより高齢者に見られる体調不良や体の機能の衰えが防止できる。
  • 運動は筋骨格傷害などのリスクがある。傷害のリスクは運動の種類と運動量に比例する。
  • 健康の効果は損傷のリスクより大きい。

 

参考文献

2008 Physical Activity Guidelines for Americans”, US Department of Health and Human Services