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歯周炎と歯肉炎の違い

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歯垢細菌による炎症であり、歯肉炎は歯周炎に進行することがある。

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Image:  デンタルフロス

Credit:  Dr Kuljeet Mehta-Periodontist, “Dental Floss

 

歯周炎

歯周炎は歯周組織(歯を支える周囲組織で、軟組織の歯肉、歯根膜と硬組織のセメント質、歯槽骨からなる)に生じる炎症であり歯茎と歯の下部の間隙に特定の病原菌が増殖することによる。

歯周炎を放置すると、炎症は顎に広がり、骨の再吸収により、歯が支持組織から抜け落ちてしまう。

35歳以上の成人で歯を失う理由の1番目が歯周炎である。歯周炎は正しい歯磨きと歯間の掃除により予防することができる。歯周炎は患部の掃除や壊死組織の除去により治療できる。

症状が重度で通常の治療法で効果がない場合は、抗生剤投与や組織の破壊を防止し再生を目的とする歯周病宿主修飾治療法が行われる。歯周炎が進行している場合は、抜歯が必要となる。

 

歯肉炎

歯肉炎は歯肉に起こる炎症であり、歯肉が赤く腫れ出血しやすくなる。一般的に口腔の衛生状態が悪く、歯に細菌を含んだ歯垢の付着によるが、他の病気が原因の場合もある。例として、糖尿病、白血病、ホルモンの変化、ビタミン不足があげられる。

症状として、歯肉炎の初期では、痛みがなく、歯肉が赤く腫れ、出血が見られる。口臭と歯肉の青色の変色が生じることがある。併発症として膿瘍や痛みが現れる。炎症は消失や再発を繰り返したり、歯周炎へ進行することもある。

治療法として、歯垢や歯石の除去と感染の徴候がある場合は抗生剤が投与される。慢性や重度の場合は壊死組織の除去と患部の清浄化を行う。

歯肉炎の予防のため、日常の歯磨きとデンタルフロスの使用による歯垢の除去と、および定期的な歯科クリニックにおける歯垢及び歯石の除去が必要である。

 

まとめ

  • 歯周炎は歯垢細菌によって引き起こされる歯周組織の炎症。
  • 歯周炎では歯槽骨の喪失、歯周ポケット形成、最終的に歯の喪失に至る。
  • 歯肉炎は主に歯垢細菌により生じるが、他の病気(糖尿病、白血病など)が原因の場合もある。
  • 歯肉炎では口臭、歯肉の変色、膿瘍、や痛みが現れたり、更に歯周炎に進行することがある。

 

参考文献

Miller-Keane Encyclopedia and Dictionary of Medicine, Nursing, and Allied Health, Seventh Edition

Mosby's Medical Dictionary, 9th edition

James T. Ubertalli, DMD, “Periodontitis”, “Gingivitis”, MSD Manual Professional Version

Dr Kuljeet Mehta-Periodontist, “Dental Floss