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髄膜炎と脳炎の違い

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髄膜炎は細菌、ウイルス、その他による髄膜の炎症。脳炎はウイルスによる脳実質の炎症。

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Image:  日本脳炎の感染媒体としての蚊、

出典: Mosquito Information Center

 

髄膜炎

髄膜は、脳と脊髄を覆う膜である。髄膜に起こる炎症を髄膜炎と呼ぶ。髄膜炎は通常細菌やウイルスによる感染であるが、ガン、腫瘍、真菌などで起こることもある。

主な髄膜炎は細菌性髄膜炎とウイルス性髄膜炎である。ウイルス性髄膜炎は通常軽度で、合併症を生じることなく2週間以内に治癒する。

これに対して細菌性髄膜炎は重大な疾患である。ウイルス性髄膜炎は季節性の感染症であり、夏の終わりから秋のはじめに多く生じる。30歳未満の人に多く生じ、特に5歳未満の小児が最も多い。

髄膜炎にかかると、1から2日で症状が現れる。初期症状は風邪の症状に似ている。主な症状は頭痛であるが、嘔吐や吐き気が生じることもある。

高熱、首の硬直、昏迷、羞明、発作、不眠症、起床障害が起こることがある。髄膜炎菌性髄膜炎では皮膚に発疹が生じる。

 

脳炎

脳炎はウイルスにより脳に生じる炎症である。脳浮腫が生じ、脳内出血と脳に損傷が起こる。

脳炎は原発性と続発性に分類される。原発性では、直接の脳のウイルス感染であり、続発性では、ウイルス感染の合併症として脳に感染が生じる。

脳炎は皮膚の接触、虫刺され、汚染食物の摂取、又は感染者の飛沫を吸入することで感染する。

ウイルス感染は地域により異なる。地方では昆虫による感染が多く、都会では腸内ウイルスによる感染が多い。脳炎は免疫力の弱い高齢者や乳児がかかりやすい。

軽度の脳炎の症状は風邪の症状に似ており、頭痛、関節痛、刺激性、発熱、及び倦怠感などを生じる。

感染が重度な場合では集中治療が必要である。症状として昏迷、幻覚、意識消失、性格の変化、発疹、複視、震え、発作、感覚消失、麻痺、筋力低下が生じる。乳児が重度の脳炎にかかると泉門(乳児頭蓋骨の未縫合の部分)が肥大することがある。

 

まとめ

  • 髄膜炎は通常、細菌やウイルスによる髄膜の感染であるが、ガン、腫瘍、真菌などで起こることもある。
  • 脳炎はウイルスにより脳に生じる炎症である。脳浮腫が生じ、脳内出血と脳に損傷が起こる。

 

参考文献

Encephalitis”, MAYO CLINIC

Meningitis”, National Institutes of Health