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「おくび」と「しゃっくり」の違い

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おくびは食道や胃からのガスの放出による。しゃっくりは横隔膜の不随意の収縮と喉の筋肉の反射作用による気管閉塞である。

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Credit:  パスタ早食い競争、“World Pasta Eating Championship (World Record Broken)

 

おくび

おくび(ゲップ)は食道又は胃からの無意識、又は意識的なガスの放出であり、食事中又は食後に生じる。

おくびの「ゲップ」という音は上部食道括約筋により発生する。

おくびは急いで食事をしたり、炭酸飲料を飲んだり、ガムを噛んだり、喫煙するとおくびの回数が増加する。胃酸を中和させる重炭酸ナトリウムなどの制酸剤を服用すると、胃の中で二酸化炭素が発生し、おくびが増える。

おくびは胃腸疾患との関連性は低いが、胃食道逆流、機能性ディスペシア、胃不全麻痺などの疾患があると回数が増えることがある。慢性的で多発性のおくびは習慣性嚥下症によるもので行動療法で治療する必要がある。

おくびの他、過剰に吸い込まれた空気による上腹部の不快感は胸に広がり、心臓疾患又は肺疾患に似た症状が現れることがある。

 

しゃっくり

しゃっくりは横隔膜の不随意の痙攣性収縮と喉が閉塞する症状である。

しゃっくりは誰にでも生じ、軽微な障害である。通常は、長時間持続することも、治療を受ける必要もない。

2日以上続くしゃっくりがあり、これは持続性しゃっくりと呼ばれる。難治性のしゃっくりでは1ヶ月以上続くこともある。

しゃっくりは空気を吸い込むために胸郭を拡張させる横隔膜と気管を閉じる筋肉の連携した動作で生じる。

横隔膜からの信号が胸郭と首を通っている横隔神経と迷走神経により脊髄に送られる。脳の神経が横隔膜からの信号を受けて横隔膜の収縮を行う信号を調整する。この信号は横隔神経で伝えられる。この回路の神経に炎症が生じると横隔膜は不随意の収縮を行い、喉の筋肉に反射作用が起こる。その後、10分の1秒以内で、気管が閉塞して、「ヒック」という音が生じる。

 

まとめ

  • おくびは食道又は胃からの無意識、又は意識的なガスの放出であり、「ゲップ」という音は、上部食道括約筋により生じる。
  • 横隔神経の炎症で横隔膜が不随意に収縮し、喉の筋肉の反射作用により、気管が閉塞して、しゃっくりが生じる。

 

参考文献

Segen's Medical Dictionary

Kenneth Mcquaid, “Approach to the Patient with Gastrointestinal Disease”, Cecil Medicine

Gale Encyclopedia of Medicine