医学よもやま話

医学情報をご提供します。

「おくび」と「おなら」の違い

advertisement

おくびは吸い込んだ空気の口からの排出で、おならは腸内細菌が作った二酸化炭素とメタンガスの肛門からの排出である。

****

f:id:tpspi:20170722105148g:plain

Photo: 炭酸飲料でおくび(ゲップ)がでる。

 

おくび

おくび(ゲップ)は食道又は胃からの不随意又は随意のガスの放出であり、通常食事中又は食後に口から外に排出される。

おくびの原因は食道や胃にたまった空気であり、急いで食事をしたり、炭酸飲料を飲んだり、ガムを噛んだり、喫煙により多くなる。さらに、重炭酸ナトリウムの制酸剤を服用すると、胃の中で胃酸と中和して二酸化炭素が発生し、おくびとなって口から外に排出される。

重大な胃腸障害があると、おくびの回数が増加する。胃食道逆流、機能性ディスペプシア、胃不全麻痺が考えられる。慢性的で過剰におくびがでるときは空気嚥下機能障害であり、行動療法による治療が必要である。

 

おなら

おならは腸内細菌により作られた二酸化炭素とメタンであり、正常な消化作用による副産物である。健康な成人は1日に10から20回おならがでており、容積は1.5リットルに達する。従って、おならが正常が異常かを判定することは困難である。

下痢でおならの回数が多い場合は消化吸収疾患の可能性がある。セリアック病(小児脂肪便症)、膵機能不全(膵外分泌腺の分泌不全)、小腸における細菌異常増殖が考えられる。

小腸で不完全に吸収され、大腸に送られる炭水化物として乳糖(乳製品)、果糖、ソルビトール(食品添加物)、トレハロース(酵母や菌類に含まれている糖)などがあり、これらを多く摂取すると、おならが増加する。

 

参考文献

Kenneth Mcquaid, “Approach to the Patient with Gastrointestinal Disease”, Cecil Medicine