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血栓と塞栓の違い

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出血性梗塞は塞栓と再灌流により生じ、虚血性梗塞は血栓により生じる。

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Credit:  “What is the difference between a blood clot and a thrombus?”, Bioiberica SAU

 

脳梗塞には出血性と虚血性があり、それぞれ赤色梗塞と白色梗塞と呼ばれている。

 

血栓と塞栓

血栓も塞栓も脳梗塞を引き起こすため、血栓と塞栓はひとまとめに扱われることが多いが(脳卒中はときに血栓塞栓症とよばれる)、血栓による梗塞と塞栓による梗塞は非常に異なる。これらの治療法は異なるため、独立して考えるべきである。

 

赤色梗塞

赤色梗塞では再灌流により血管が破裂して血液が遊出する。この場合、血塊が血管に留まり、フィブリン溶解作用により血栓が溶解し下流方向に移動する。血管の閉塞がなくなるため、血流が再開するが、血塊により血管が損傷しているため、血液が漏れ、正常な血流が維持できない。画像検査では赤く見える。

 

白色梗塞

白色梗塞では、血栓の一部である血塊が時間をかけて血管に蓄積し、血流が徐々に減少する。最終的には血流が完全に止り、画像検査で患部が白く見える。

 

血栓

血栓は血管にできる異常な血塊である。脳内血管では、血栓はアテローム性動脈硬化症により生じる。それ以外の部位では、血栓は足の深部静脈に生じる。

 

塞栓

塞栓は血栓から分離して浮遊している血塊であり、血管をつまらせる。例えば、足の深部静脈の血栓の一部は分離して血流に乗り下大静脈を経て心臓、肺静脈を通り、細い血管をつまらせる。

塞栓は通常は血栓の一部の血塊であるが脂肪、空気、又は骨髄の場合もある。

 

長期の虚血による脳の空洞

虚血は血流が低下しているが、回復する可能性がある。虚血が長期間継続すると、梗塞が起こる(梗塞は組織が死ぬことを意味し、回復しない)。

微小な梗塞は画像には現れない。大きな梗塞では、死んだ組織は取り除かれるため、空洞ができる。体の他の部位と異なり、脳には瘢痕ができないため、空洞ができる。

 

参考資料

What is the difference between a blood clot and a thrombus?”, Bioiberica SAU

Kristine Krafts, “Embolus vs. thrombus