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ストレスとテロメアの関係

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慢性ストレスは老化を早め病気のリスクを高める。

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Credit:  テロメアは染色体の先端にある、“What is a Telomere? Simple explanation of Telomeres”, Tam818 USA

 

ストレスを引き起こすもの

金にまつわる問題、仕事における過労、子育てや老人介護はストレスの原因になる。近年、これらによるストレスが特に増加している。

ストレスと染色体に存在するテロメアの関係に関する多くの研究がなされており、テロメアが短くなると染色体の働きが悪くなり、心臓病、糖尿病、及びガンにかかりやすくなることが知られている。

 

テロメアと加齢及び病気との関係

テロメアは各染色体の末端にあり、細胞が分裂する度に短くなる。

テロメラーゼと呼ばれる酵素がテロメアを補っているが、慢性ストレスと副腎皮質ホルモンであるコルチゾールの曝露によりテロメラーゼの供給が減少する。テロメアが短くなると、細胞は死を迎え、加齢が進み、病気にかかるリスクが高くなる。

 

ストレスのテロメアの長さへの影響

テロメアの長さに最も影響をあたえるものは加齢と遺伝であるが、ストレスによっても強く影響を受ける。

人が長期にわたり慢性的なストレスに曝されるとテロメアが老人のように短くなり、体に加齢以上の影響が現れる。

一年中ストレスがある生活を送っており、運動、栄養、及び睡眠などにおいて日々健康に注意しないと、テロメアは加齢以上に短くなる。

 

有酸素運動のテロメアに対する効果

テロメアに対する有酸素運動の効果が調べられており、運動はテロメアの減少を防ぎ、テロメラーゼの働きを活発にすることが判明している(注1)。有酸素運動は更にコルチゾール、インスリン、炎症、及び活性酸素などの調節異常に対する予防が期待できる。

有酸素運動はストレスとテロメアの関係を調整し、長期的に生活におけるストレスを軽減する効果がある。

 

テロメア検査による病気の予防

テロメアの長さを調べることにより、年相応の病気にかかっているかどうかを予測することができる。病気が進行する前に、テロメアにより健康状態を調べることにより病気の予防が可能になる。

 

注1:

Andrew T. Ludlow, et. al, “Relationship between Physical Activity Level, Telomere Length, and Telomerase Activity”, Med Sci Sports Exerc

 

参考資料

Stacy Lu, “How chronic stress is harming our DNA”, American Psychological Association

What is a Telomere? Simple explanation of Telomeres”, Tam818 USA

 

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