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高齢者の健康に影響を及ぼす要因

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高齢者各人で健康状態が異なるわけ

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病的症状

老人と若者や中年では同じ病気にかかっても症状が大きく異なる。

高齢者では複数の慢性疾患にかかっているのが普通である。65歳以上の高齢者の約半数は2つ以上の慢性疾患を罹患している。

高齢者が介護を受けるリスクは罹患している慢性疾患の数に比例する。さらに特定の疾患の組み合わせによっても、介護を受けるリスクが相乗的に増大する。

高齢者の18%が関節炎と心臓病を併発していると推定されている。これらの疾患は単独でも介護を受けるリスクが3から4倍に増加するのに対して、併発するとリスクは14倍になる。

認知症などの慢性疾患にかかると、他の慢性疾患の症状が見逃されることがある。

 

疾病の兆候と症状

高齢者と若者では同じ病気でも兆候と病状が異なる場合が多い。

高齢者が心筋梗塞を発症すると、胸の痛みより精神状態の変化、めまい、脱力感などが強く現れるため、治療が遅れることがある。

 

虚弱

高齢者は虚弱になりやすい。虚弱は感染や傷害などのあらゆるストレスに対する抵抗力を弱める。

虚弱では脱力、運動耐性低下、動作速度低下、体重減少などが起こる。更に筋肉減少も現れる。

ある調査によると、65歳以上で85歳未満の介護施設入所者の7%が、85歳以上では25%が虚弱である。

虚弱のリスクとして転倒、入院、長期の回復期間、介護、及び死亡があげられる。

虚弱は炎症、免疫機能、ホルモン状態、及びグルコース代謝など複数の生理システムにおけるエネルギー調節異常により生じ、ストレスに対する平衡維持機能が低下する。

自覚症状のない疾患(アテローム性動脈硬化など)、末期慢性疾患(心不全など)、又は複数の異化作用性疾患により虚弱になることがある。

負荷運度と栄養補給及び家庭内での身体療法により除脂肪体重と身体強度の増加や、肥満で運動不足の高齢者の体重の減少で虚弱を防止することができる。

 

認知障害

加齢により認知障害の発症リスクが増し、転倒により、入院や介護が必要になり、最後に死に至る。

認知障害は他の病気の診断を困難にするため、合併症の予防が必要にる。更に、自立した生活が送れなくなる。

 

身体障害

高齢者が慢性疾患にかかると身体障害にかかるリスクが高くなる。この結果、患者は身の回りの世話(入浴、トイレなど)から、日常生活(買い物、料理など)ができなくなり、介護が必要になる。

身体障害の主たる原因は慢性疾患と老化症状によるものであるが、症状の発症と重症度は様々な要因が影響する。主な要因として基礎疾患の治療、運動とリハビリ、栄養、喫煙、入所施設でのケアがあげられる。

このため、身体障害は防止又は軽減できる可能性がある。

 

高齢者の健康改善

複数の慢性疾患、虚弱、及び身体障害はそれぞれ独立した臨床対象であるが、複数の慢性疾患があると虚弱のリスクが高くなり、更に両者は身体障害のリスクを高める。

高齢者各人には慢性疾患、疾患の再発、複数の疾患、及び老化などの健康状態において大きな差がある。

高齢者では予防接種や運動などの健康管理で病気を予防して、老化に対処することができる。

運動、認知訓練、及び社会活動により認知障害、虚弱、及び身体障害のような健康問題を改善することができる。

 

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