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高齢者の本当の死亡原因

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高齢者は複数の要因が重なって死に至る。

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Photo:  介護施設の談話室、介護付有料老人ホーム アリア深沢 

 

高齢者の死亡原因

日本人の65歳以上の高齢者の死因の1番目はガン、それに心臓病、脳血管疾患、及び肺炎が続いており、最初の3つの病気で全死亡者数の過半数を占めている。

85歳以上の高齢者では心臓病が全死亡者数の約20%である(注1)。

 

高齢者の死亡の複合要因

高齢者の死亡の多くは複合要因による。研究によると、要因には社会人口学的特性、健康に影響する習慣、心臓血管のリスク要因、有症状及び無症状の疾患、身体の障害、及び認知障害が含まれる。

これらの要因は高齢者であっても年齢が死因の決定要因でないことを示唆している。

 

加齢による慢性疾患の発症率の増加

慢性疾患の発症頻度は加齢で増加する。

2007年の米国における統計では、関節炎の発症率は18から44歳では約7%、45歳から64歳では約30%、65歳以上では約50%であった。

歳をとるに従って、健康だと思っている人の数は減少する。18歳から44歳では約70%が、45歳から64歳では約55%が健康だと思っているが、65歳以上では約40%にすぎない。

高齢者では、症状のある病気のほか、自覚症状のない病気にかかっている人が多い。65歳以上の高齢者では、31%が心血管疾患の症状があり、37%が自覚症状のない病気にかかっている。

米国で行われた調査では、老齢者の28%でMRIの検査で脳に梗塞様の病変が見つかっており、転倒、平衡感覚の障害、及び認知機能の低下を引き起こしている。

自覚症状のない心血管疾患は症状が現れる心血管疾患の発症の前兆である。

 

加齢症状の現れ

高齢者の健康状態は慢性疾患や加齢症状が影響している。

高齢者の4分の1が転倒により怪我や骨折しており、寝たきり生活のリスクが高くなっている。

加齢により、聴覚及び視覚が衰え、更に認知障害、幻覚、及び失禁症状が現れると、高齢者の健康が劇的に損なわれる。

高齢者の7%で衰弱がみられ、ストレスに弱くなるため、怪我、転倒、死亡のリスクが更に高くなる。

 

注1: 人口動態統計年報・死因順位、厚生労働省

 

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