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盲腸、虫垂、虫垂炎の違い

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日本人が盲腸というとき、それは虫垂炎を意味している。

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Credit:  腹腔鏡下虫垂切除術、Laparoscopic appendicectomy、Brisbane Surgeon 

 

盲腸

盲腸は英語では”cecum”で「一端が開口した空洞」を意味する。大腸の最初の器官で袋状であり、上行結腸との接合部の下に位置し、回盲弁で小腸の最後の部分である回腸につながっている。

 

虫垂

虫垂は盲腸の終端である盲端部分から延びている蠕虫様の大腸憩室である。

 

虫垂炎

日本人が盲腸という時、それはほとんどの場合虫垂炎を意味している。

虫垂炎は虫垂の炎症である。

虫垂の機能はまだ十分解明されていないが、虫垂炎は命にかかわる疾患である。治療しなければ、虫垂破裂により致死性の感染を起こす可能性が高い。

疫学  虫垂炎は児童や青年が最も多く発症する腹部の救急疾患である。生涯で15人に1人が虫垂炎を発症すると言われている。

発症率は男性では10から14歳が最も多く、女性では15から19歳が最も多い。思春期から25歳では男性が女性より多く発症する。高齢者や2歳未満では発症者は少ない。

診断 ― 虫垂炎で最も多い症状は痛みの増大である。腹痛は様々の条件で生じるため、正確な診断は困難である。虫垂炎の治療が遅れると、虫垂の穿孔や破裂が起こるため、適時の診断が重要である。

虫垂に穿孔が出来たり、破裂した場合、虫垂の内容物が腹部に散らばるため、重大感染である腹膜炎を起こす可能性が高い。

胃の不調や大腸炎も虫垂炎と同じような症状を示すことに注意が必要。

治療 ― 急性虫垂炎の治療は外科的又は腹腔鏡を使った虫垂切除が行われる。

虫垂の破裂のリスクを避けるため、虫垂炎が疑われるときは、診断が確実になる前に手術が行われることが多い。

 

関連情報:

虫垂の役割 ― アメリカジューク大学の研究

虫垂炎 ― 虫垂の炎症

Laparoscopic appendicectomy、Brisbane Surgeon