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電離放射線被爆 ― 突然変異、発癌、及び催奇

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肺癌の主因は自然界のラドンである。

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Photo: モニタリングポストでの放射線量表示

 

電離放射線

電離放射線とは物質に電離作用を行う放射線であり、高エネルギーの電磁波や粒子(X線、ガンマー線、電子、陽子、中性子、アルファー粒子)が含まれる。人に作用すると突然変異、発癌、及び催奇が起こる。症状として皮膚の紅斑、目に白内障、不妊、造血機能の低下などの急性および慢性の症状が現れる。

 

 健康への影響

一般人が電離放射線に被爆すると発癌リスクが高まる。自然界にある環境電離放射線による発癌リスクは3%未満にすぎないが、肺癌の主要な原因である。

さらに、電離放射線を被爆すると突然変異誘発性と染色体異常誘発のリスクが高くなる。

 

胎児への影響

電離放射線に胎児が被爆すると線量と胎児の成長段階に応じて死産、奇形、白内障、精神遅滞、成長障害、行動障害が現れる。

 

人体への影響 

人が電離放射線に被爆するとDNAや生命に重要なメカニズムが損傷して、人体に重大な影響が現れる。

 

環境電離放射線 

人は絶えず環境電離放射線を被爆している。主なものとして宇宙線、地殻から放射されるラジウムなどの放射性元素、吸入したラドンとその崩壊元素。

高所に住んでいると宇宙線による被爆は2倍になる。旅客機の巡航では被爆は100倍になる。

人為的な電離放射線被爆としてはCTやX線などの医療用の放射線装置がある。

建築資材、リン酸肥料、及び砕いた岩石も少量の放射線源である。

岩石にはウランなどの放射性元素や崩壊により生じた物質が存在する。放射性物質は食物連鎖により食物、飲料水、及び建築資材から人体に取り込まれる。ラドンによる被曝は、一般的に人が受ける環境電離放射線の約3分の2を占める。環境電離放射線量は少量であるため、放射線障害の直接原因にはならないが、肺炎の主要な原因である。

 

参考資料: Jerrold T, et. al., “Radiation Exposure and Contamination”, Merck Manual Professional Version

 

関連情報:

電離放射線傷害の病理