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骨密度の測定 ― DEXAスキャン

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骨密度を調べると骨粗鬆症による骨折のリスクがわかる

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Credit:  DEXAによる骨密度の計測、DEXA and Bone Density Scans - Lexington Diagnostic Center

 

骨密度を測定する理由

体の任意の部位(腰部、脊椎、橈骨、全身、踵骨)の骨密度の低下は骨粗鬆症性骨折の警告となる。

一般的に、測定方法に関係なく、若者(35歳)の正常値から1SD(標準偏差)下回るごとに、将来骨粗鬆症による骨折にかかるリスクが約50%増加する。

中軸骨格と体肢骨格の骨密度の測定には数種類の方法が採用されている。

 

二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA)

DEXAは最も広く採用され、廉価で、正確な測定法である。

 

TスコアーとZスコアー

DEXAの結果はTスコアー又はZスコアーで表される。

Tスコアーは患者の骨密度と同じ性別における最大骨密度の平均値から相違しているSD(標準偏差)の数で表す。

Zスコアーは患者の骨密度と同じ性別で年齢における最大骨密度の平均値から相違しているSDの数で表す。

 

小柱骨と緻密骨

同じ患者でも骨の部位ごとに絶対骨密度は異なる。この差は骨の部位における小柱骨と緻密骨の相対比率による。背骨の85%は小柱骨であるのに対して、大腿骨のほとんどが緻密骨である。

成人の約3人に1人の割合で腰骨と背骨のTスコアーが異なる。

このことは骨格の構造に違いがあることを示している。

緻密骨は厚くリモデリングは頻繁に行われていない。これに対して、小柱骨は骨髄成分に浸っている海綿状の骨であり代謝が非常に活発である。

DEXAでは両方の骨格成分を面積として統合する。しかし骨の各部位では成分と機能に相違があるため、骨密度の測定において注意が必要になる。

これら2つの骨の成分は年令により変化し、遺伝的決定基も完全に異なるが、骨の各部位における最小の骨密度により骨折リスクを判断する。

DEXAでは主に脊椎と腰部の骨密度が測定される。脊椎では、前後方向を測定して早期の骨の消失を感度良く正確に調べることができる。

これらの骨の部位では高い精度で骨密度が測定でき、骨折のリスクを正確に予測できる。

 

DEXAの制約

変形性関節炎、椎間板変形、脊椎骨折、又は動脈に石灰化があると、脊椎の前後方向の測定では骨量が過剰に測定されてしまう。従って、65歳以上の患者では大腿骨頚部及び腰部全体の骨密度の測定が推奨される。

 

DEXA以外の骨量測定方法

定量的CTスキャン ― 脊椎の正確な骨量が得られ、早期の骨の消失が予測できる。欠点として、DEXAと比較して再現性が劣り、Tスコアーに差異が出る。更に、CTではDEXAと比較して放射線被曝量が多く、検査時間が長くかかる。放射線の被曝量が多くなるが、緻密骨及び小柱骨両方の情報が得られる。骨折リスクのデータは十分得られず、研究用に使用されている。

 

超音波スキャン ― 持ち運びと操作が容易で、骨折予測が可能である。音波の測定で使用するパラメータは年齢で変化しないため、精密検査では使用できない。

 

まとめ

DEXAは骨折リスクを評価するための最も正確な検査方法である。測定結果と年齢、病歴、及び家系の情報を加味することにより骨粗鬆症のリスクを正確に評価することができる。

 

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