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二次性骨粗鬆症 ― アルコールを控えて骨折予防

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治療により骨の消失が防止可能

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Photo:  慢性的なアルコール摂取は骨の消失につながる

 

治療可能な骨粗鬆症 

骨粗鬆症のほとんどは突発性であり、エストロゲン欠乏及び加齢が関係する細胞や分子の働きによるものであるが、二次性骨粗鬆症は治療により改善することが可能である。

 

性腺機能低下症

男性でも女性でも、特に若年層において、二次的骨粗鬆症で一番多い原因が性腺機能低下症である。

神経性無食欲症(拒食症)、視床下部性無月経、高プロラクチン血症、及び運動性無月経により早発で急激な骨消失が起こる。病態が長期に継続すると、骨粗鬆症性骨折が生じる。

男性では、一次性又は二次性性腺機能低下症により最大骨量が低下し、その後の人生で骨の消失が続く。高コルチゾール血症などのホルモン異常も視床下部や性腺に影響を及ぼし骨量の低下につながる。

性腺機能低下症の原因

グルココルチコイド過剰は性腺刺激ホルモン分泌信号を弱め、エストロゲン又はアンドロゲンの濃度を低下させるため、骨の吸収が増加する。これらは造骨細胞の動員と機能の変化、骨髄脂肪の増加、IGF-I信号の減少、及びカルシウム吸収障害をともなう。

骨のリモデリングが正しく行われないと、骨は急激に消失し、骨折が起こりやすくなる。

 

内分泌異常

内分泌異常により骨量の低下や骨の代謝が増加する。内分泌異常には重度の甲状腺機能亢進症、一次性副甲状腺機能亢進症、及び成長ホルモン欠乏症がある。一次性副甲状腺機能亢進症では緻密骨のみが消失し、原因となる腫瘍の切除により骨の消失はおさまる。

 

全身性疾患 

他の全身性疾患でも骨粗鬆症が起こる。肝胆道障害患者はビタミンDの吸収障害及び二次性副甲状腺機能亢進症により骨粗鬆症又は骨軟化症又は両方が生じる。

高カルシウム尿症患者で二次性副甲状腺機能亢進症があると骨の吸収が増加し骨の消失も増加する。

グルテン腸症は遺伝疾患であり患者の骨量は生涯少ない。

グルタミン転移酵素濃度で低骨量が検査できるが、確定診断は小腸の生検で行う。

グルココルチコイドによる治療歴にかかわらず、紅斑性狼瘡、硬皮症、リューマチ性関節炎、及び混合結合組織疾患でも骨量が低下する。

二次性骨粗鬆症は骨格に有害な薬剤、例えばヘパリン、エタノール、シクロスポリン(拒絶反応防止薬)、タクロリムス、及び抗痙攣薬などに加えて、運動不足、吸収不良、及び炎症性サイトカインの分泌による可能性が非常に高い。

 

慢性的アルコール摂取

慢性的なアルコール摂取は造骨細胞の機能を抑制し、間質細胞の脂肪細胞への分化が増加し、骨の吸収が増加するため、骨格には有害である。

慢性アルコール中毒患者の多くは性腺機能低下症にかかっており、ビタミンDの濃度が低下している。高カルシウム尿症又は腎臓結石があると低骨量および骨粗鬆症性骨折のリスクが高い。

 

薬剤性骨粗鬆症

二次性骨粗鬆症の主要な原因として薬剤性の骨消失がある。

グルココルチコイドの他、慢性的なヘパリン療法、抗痙攣薬、チアゾリジンジオン、及び第二世代の抗精神病薬は骨粗鬆症を引き起こす。

第二世代の選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI)及びプロトンポンプ阻害薬が高齢者の骨の消失に関係しており、二次性の骨粗鬆症の主要な原因である。

 

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