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出血性ショック

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大量出血による致死性ショック

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大量出血

事故などによる出血や、消化器官の潰瘍または血管破裂、子宮外妊娠時の破裂などによる内出血のために、血液が急速に失われることがある。

 

症状

症状としては眠気や錯乱が現れる。皮膚は青白くなり、心拍数が増加する。呼吸数は増加するが、最終的には呼吸数も脈拍数も低下する。治療を行わないと死に至る。

 

病理

出血性ショックは血液が失われることにより心充満圧が低下して起こる。

体内の血液が約10%失われると補償メカニズムにより心拍出量が維持される。神経とホルモンの作用により末梢血管が収縮し、皮膚、筋肉、及び腹部内蔵など重要でない部位の血液のシャントにより心臓及び脳への灌流が維持される。

血液が20から40%失われると心拍出量が低下し、全身の血圧が低下する。血管内の血液が急激に失われると灌流圧を維持するための補償メカニズムにより細胞外から血管内にタンパク質と液体が流入する。

血液量の減少及び細胞外間隙の容積モル浸透圧濃度の上昇により細胞からの液体を血管内への移動が促進される。

 

応急処置

医療機関への救急搬送までの間、心臓へ血液を戻すために、患者の脚を約30から60センチメートル高くして寝かせ、体を温める。出血部位は止血し、呼吸を確認する。嘔吐物で窒息しないように頭を横向きにする。

 

診断

非代償性ショックか代償性ショックかを区別が重要である。全身の動脈圧が正常又は頻脈でなければ、代償性ショックによる危険な状態でも血行動態的に安定していると誤診される恐れがある。

慎重な診察と治療により潜在的な出血を見逃がすことなく、輸液による蘇生及び手術を行うことが可能になる。

 

治療

輸血を行う。通常は輸血前に血液型が調べられるが、緊急時にはO型Rhマイナスの血液を輸血する。

 

予後

予後は,原因,持病、合併症、医療機関への搬送時間、及び治療の適格性により異なる。

 

参考文献:Marc A. de Moya, MD, “Shock”, Merck Manual Professional Version