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骨粗鬆症の原因は思春期に始まっている - 骨の形成

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最大骨密度を得るには性ホルモンの分泌、栄養摂取、及び運動が必要

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Photo:  筋トレ用ダンベル

 

骨芽細胞を調節する2つの経路

骨を形成する骨芽細胞には遺伝子調節され骨の形成速度に影響を及ぼす2つの経路がある。WNT/LRP5/βカテニン信号伝達経路とリポキシゲナーゼ経路である。

1番目の経路では、LDL受容体タンパク質5(LRP5)で変異が活性化すると骨量が増加し、非活性化すると骨粗鬆症・偽性神経膠腫症候群(幼児で骨量低下が生じる)が現れる。

LRP5信号伝達経路はWntリガンドにより刺激を受けることにより、骨芽細胞が増殖して分化が生じる。

2番目の経路では、間質細胞が脂質又は骨の系統に入る時と条件が12,15リポキシゲナーゼとALOX5の2つの酵素により決定される。前者はプロスタグランジン及び他の内在性リガンドを作り出し脂肪細胞の分化を誘発する。後者ははプロスタグランジンJ2を介してPPARGを活性化するロイコトリエンを作り出す。

2つの遺伝子の多形性により最大骨量に相違が生じる。双子の研究から最大骨量の遺伝子調節はホルモンと環境要因により変化することが判明している。

最大骨密度の最適化に必要なこと

エストロゲンやテストステロンのようなステロイドホルモンの適切で適宜な分泌、バランスの取れた栄養摂取、及び運動により遺伝により骨量が少ない人でも最大骨密度を最適化することができる。

 

骨密度低下の要因

思春期遅発症患者では健常者と比較して30代と40代の骨密度が低い。10代で拒食症の女性は健常者と比較して閉経時の骨密度顕著に低い。

初潮が遅い女性は健常者と比較して成人時の骨密度が低い。

青春期に橈骨骨折があると骨密度が低く、健常者と比較して皮質骨の直径が小さいことが研究により判明している。

 

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