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特定健診では早期の胃癌は見つからない

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バリウム造影剤検査と上部消化管内視鏡検査

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Credit:  X線検査用バリウム造影剤、佼成病院

 

良性対悪性腫瘍

良性の潰瘍は底部が滑らかであるが、悪性の潰瘍の底部が不規則で、腫脹があり、不規則なひだがある。

従来、放射線検査で得られた腫瘍の特徴から良性か悪性かの区別が行われてきたが、放射線検査で胃に潰瘍が検出されたときは、良性としての特徴があっても、上部消化管内視鏡検査を行う必要がある。

 

従来の胃癌検査方法

胃癌は小さな粘膜の潰瘍、ポリープ、又は腫瘤として生じることがあり、患者によっては、上部消化管バリウム造影剤検査で胃潰瘍が見つかることもある。

 

近年の胃癌検査方法

近年多くの医療機関で胃癌検査で行われている上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)と生検及び細胞診による胃癌の診断の精度は95から99%に達している。

 

最新の胃癌検査方法

超音波内視鏡の出現により胃癌のステージ分類及び診断は非常に向上している。

超音波内視鏡はCTと同様な病変の情報が得られことから、腫瘍の胃壁への浸潤や近位リンパ節転移が検査可能である。

リンパ節腫脹や胃からの転移(肺や肝臓)を検査するには胸部、腹部、及び腰部CTによる検査が必要である。医療機関によっては、胃癌のステージ分類には骨のスキャンが行われる。

国の胃癌検診の考え方

このような事実があるにも関わらず、国立がん研究センターが刊行している「有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン」2005年度版では胃X線検査を死亡率減少効果を示す相応な証拠があることから、対策型検診および任意型検診における胃がん検診として胃X線検査を推奨し、胃内視鏡検査、ペプシノゲン法、ヘリコバクターピロリ抗体検査は死亡率減少効果の有無を判断する証拠が不十分であるため、対策型検診として実施することは勧めていなかったが、2014年版では医学界からの反発をうけ、胃内視鏡検査は認めるが、不利益の説明要求など条件を付けており、ペプシノゲン法、ヘリコバクターピロリ抗体あるいはその併用法については死亡率減少効果のが不十分であるとして対策型検診として実施することは勧めていない(注1)。

 

注1: 国立がん研究センター、「有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン

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