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高齢者の健康寿命に重大な影響を与える骨の健康

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骨粗鬆症について

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Credit: Osteoporosis, National Osteoporosis Foundation

 

血圧、コレステロール、それに骨の健康

我々は定期的に血圧やコレステロール値を測定してるが、骨の健康に注意して定期的に検査を受けている人はほとんいない。

血圧が上昇すると、脳卒中のリスクが高くなり、コレステロール値が高くなると、心臓発作の危険性が増す。骨密度が低くなると股関節骨折につながり、死に至ることがある。

50歳を過ぎると女性の2人に1人が、男性の4人に1人が骨粗鬆症により骨折の危険性がある。

股関節が骨折すると、治療がうまく行っても、患者は自立した生活が困難になる。

特に寝たきりになると、認知症を発症するリスクが非常に高まる。

人生を通して骨の健康に注意し、検査を受けて、骨粗鬆症について備えておかなければならない。

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症は骨の量と質が減少及び低下により骨格の脆弱性が進行する疾患である。この疾患の特徴は腰痛、体重減少、骨折である。

骨粗鬆症による骨折は骨の質の変化による。柱状骨及び緻密骨の微小構造の変化により、骨の性質が変化する。

骨粗鬆症による骨折の決定要因として小柱穿孔、微小亀裂、石化異常、骨の大きさの変化、及び急速な骨代謝がある。

骨格の定性変化は骨折のリスクに大きな影響を与えるが、現段階では、これらのほとんどは測定が困難である。

近年、高精度CTにより小柱の大きさ、数、及び形状を正確に検査できるようになったが、骨折の予測ができる段階には至っていない。

骨密度の低下は骨折の大きなリスク要因であるが、骨折が起こる骨密度のしきい値はわかっていない。他のリスク要因としては骨折歴、65歳以上、遺伝、及び最近の体重減少があげられる。

 

骨粗鬆症にかかりやすい人 

脆弱性骨折、特に骨盤や上腕骨の骨折は、高齢者の歩行に大きな影響を与える。骨粗鬆症による骨折の発生率は年齢とともに増加する。女性では、45歳以降に急増する。多くは前腕骨折である。65歳以降は、股関節骨折が指数関数的に増加する。

男性では、脆弱性骨折は75歳以降増大する。さらに、85歳を過ぎると男女とも股関節骨折が最も多くなる。

男性では年齢とともに脊椎骨折が急激に増加するのに対して、女性では年齢に単純比例で増加する。この年齢とともに増加する骨折は骨密度の変化とは無関係で、柱状骨及び緻密骨の性質の変化による。従って、年齢が骨折のリスク要因である。

男性は女性より緻密骨や柱状骨の骨密度が高い。この相違が筋肉の強度、体脂肪分布、及び骨の大きさを含む体の構造に影響を与える。

近年、骨密度に対する体脂肪の役割が解明された。体脂肪率が低いと(20未満)であると骨密度が低く、骨折のリスクが高くなる。

これは衝撃時の保護が少ないためである。

最近の研究により、皮下脂肪の増加は緻密骨に良い影響を与えるが、内臓脂肪は逆に悪い影響を与え、骨折のリスクを高めることがわかっている。肥満は骨を保護するようにも思えるが、肥満は骨折を防止できず、状況によっては骨折のリスクを高める。

 

参考文献: Lynn Allison, “Osteoporosis Prevention: 5-Point Plan to Stop Bone Loss