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食道癌にかかったら

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喉に異常がでたら躊躇せずに上部消化管内視鏡検査を受ける。

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Photo: 上部消化管内視鏡

 

症状と徴候

食道扁平上皮形成異常では症状は現れないが、食道扁平上皮癌は食道中央に多く生じ、症状は嚥下障害、嚥下痛、非定型又は定形胸痛、胃腸管出血、吐き気、嘔吐、体重減少、及び栄養不良である。

食道扁平上皮癌は局部リンパ節、肺、肝臓、及び骨に転移することがある。転移の程度により、骨の痛み、呼吸困難、黄疸や肝不全の徴候が現れる。

 

診察

患者の髪の毛、皮膚の肌目、及び爪床の変化により栄養状態を知ることができる。体重減少は癌の悪液質として筋肉量の減少を表す。

頸部前方部や鎖骨上部でリンパ節が肥大する。癌が肝臓に転移すると肝肥大や肝臓病の合併症が現れる。

病理検査

病理検査で、慢性の上部消化器官出血のため徐々に進行している鉄欠乏性貧血が検出される。

嘔吐による代謝性アルカローシス及び脱水症状による高ナトリウム血症などの代謝障害が現れることがある。

肝細胞の破壊や胆汁鬱滞による肝臓酵素異常は癌の肝臓転移を示す。食道癌のマーカは存在しないが、癌の診断や治療後の癌再発を癌胎児性抗原(CEA)で調べることができる。

 

診断

以前は、バリウム放射線検査が主流であった。この検査では、食道粘膜の病変や内腔の肥大による陰影欠損で食道癌を診断していた。

しかし、バリウム検査では精度が低いため、近年では上部消化管内視鏡検査が行われている。

検査で病変が見つかった場合は、組織の一部を採取して組織病理検査で癌化及びサイトケラチンで免疫組織化学検査で癌の増殖と分化が調べられる。

食道癌になると、局部のリンパ節が肥大するため、超音波内視鏡で検出できる。必要に応じて、微細針吸引による組織採集で細胞病理検査を行う。癌の転移は胸部と腹部をCTで調べる。

骨に痛みがあるときは、骨スキャン検査を行う。各種放射線検査で食道扁平上皮癌のステージ分類ができ、治療方針が決定される。

 

食道癌は早期発見できないと、声帯を失い会話ができなくなる。骨や他の臓器へ早く転移するため、苦しみながら死を迎えることになる。検査には上部消化管内視鏡を使うため、検査に躊躇する人も多いが、鎮静剤の静脈投与で苦痛は解消し、早期の癌治療により死を免れる。