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医学よもやま話

医学情報をご提供します。

幼児がアメを喉に詰まらせた時、老人が餅を喉に詰まらせた時

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腹部突き上げ法と背部叩打法

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Credit:  焼いた餅、Kikkoman

YouTube動画: 異物除去法(岸和田市)

 

異物が喉又は気管に留まると、空気の流れが止まるため人は窒息する。成人では、多くの場合異物は食物片である。幼児の場合は食べ物以外を吸い込んで喉を詰まらせることが多い。窒息になると脳に酸素が届かなくなり、死に至るため、一刻も早く救命処置が必要である。

 

喉に物が詰まった徴候

喉を詰まらせた場合、人は喉に手を当てて苦しみだす。

 

意識のない患者の窒息の徴候

  • 話さない。
  • 呼吸をしない。
  • 咳をしない。
  • 皮膚、唇、及び爪が青い。

救命処置

  • 周りの人が喉に物を詰まらせた場合、強い咳をしているときは様子を見る。異物が排出されず様態が悪化した場合は救命処置を行う。
  • 手伝ってくれる人がいない場合は、119番通報を行う前に、背部叩打法(ハイムリック法)と腹部突き上げ法を行う。手伝ってくれる人がいる場合は、119番通報を依頼する。
  • 患者が意識を失っているときは、119番通報と通常の人工呼吸と胸骨圧迫による心肺蘇生を行う。

 

腹部突き上げ法

  • 患者の後ろに回り、患者の腰の周りに介護者の手を回す。
  • 一方の手で握り拳を作る。患者のへそより僅かに上の位地に握り拳を載せる。
  • 他の手で握り拳を抑える。患者を持ち上げるように、素早く手前上方に突き上げる。
  • 5回行う。異物が取れないときは、更に5回繰り返す。
  • 内臓損傷のリスクがあるため、医師の診察が必要である。
  • 妊婦や幼児には、腹部突き上げ法は使用できない。

 

背部叩打法

  • 幼児から成人 - 患者は立った状態または床に寝かせて、後方から手のひらで肩甲骨の中間を力強く連続して叩く。
  • 幼児 - 片腕に乳児をうつぶせ状態で抱え、手のひらで顔を支える。頭を体より低くして、他の手のひらで背中の中央を数回強く叩く。

 

自分が物を喉につまらせた時

  • 自分が物を喉に詰まらせたときは、近くの人に助けを求める。
  • 助けが得られない場合は、背部叩打法は自分ではできないので、一方の手で拳を作り、へそより少し上の載せ、拳を他の手で押さえ、握り拳を内側と上方向に突き上げる。

 

意識のない患者の救命処置

  • 患者を床に寝かす。
  • 気道を確保する。喉の内部に異物が見える場合は指で取り出す。幼児の場合は、喉の奥に押し込まないように特に注意する。
  • 腹部突き上げ法と背部叩打法で異物が取り出せない場合は心肺蘇生を行う。胸骨圧迫で異物が取れることがある。

 万一の事態に慌てず、患者を救えるように、腹部突き上げ法と心肺蘇生の応急処置の講習を受けておく必要がある。

 

参考資料:日本医師会、救急蘇生法