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有毒物と有害物の誤飲の対応

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無理に吐かせず、救急搬送により、病院で治療を受けること。

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Photo:  有毒物の誤飲 - ボタン電池

 

有毒物や有害物の誤飲は幼児、高齢者、認知症患者、アルコール中毒患者で多く見られるが、健常人でも毒物を飲まされる事件も報道されている。

有毒物は化学薬品、医薬、タバコ、ボタン電池など。有害物は尖った物(縫い針、爪楊枝、クリップなど食品に混入した物)、金属(コイン、ネジ)や動物の骨(魚、チキン)など。

有毒物や有害物の誤飲は日常よく起こる事故や事件である。

幼児の誤飲は両親が注意していればほとんどの場合防げる。

毒性の無い滑らかで小さな物を誤飲した場合は、合併症は起きず、自然に排泄される。

毒性が無くとも、尖った物(有害物)を誤飲した場合は胃腸管で穿孔が生じるリスクが高くなる。

有害物を誤飲して顕著な症状が現れた場合や、胃腸管に留まっている場合は、内視鏡又は手術で摘出する必要がある。

誤飲した有毒物や有害物を無理に吐かせると、咽頭や食道が損傷したり、裂孔が生じる恐れがある。

 

合併症

有毒物や有害物を誤飲すると、合併症が起こる。

有毒物を誤飲すると、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、脈拍増加、胸痛、息切れ、錯乱、痙攣、失神などの症状が現れる。症状の程度や現れる時期は摂取した物により異なる。

無毒な物でも、尖った金属片や動物の骨などの有害物を誤飲すると合併症のリスクが高くなる。腹部の手術で消化器に癒着のある患者では、リスクが更に高くなる。

無毒の異物が咽頭に留まると膿瘍や穿孔などを起こし、食道では20%が無症状で,穿孔、縦隔炎,膿瘍,瘻孔形成のリスクがある。胃ならびに小腸に送られた場合は、ほとんどが自然排泄される。

誤飲の対応

有毒物を誤飲した場合、量が少なく、症状がなくとも、日本中毒情報センターに連絡して応急処置の指示を受ける必要がある(無料)。

大阪中毒110番(24時間対応)072-727-2499

つくば中毒110番(9時~21時対応)029-852-9999

嘔吐がある場合は、嘔吐物を集め医療機関で検査できるようにする。患者に意識がないか、話せないときは、家族又はその場にいた人は医師に状況を説明する必要がある。医師又は中毒情報センターの指示がなければ、患者に物を飲ませたり、誤飲した物を無理に吐き出させてはいけない。咽頭や食道が損傷することがある。

 

参考文献:Karthik Venkataraghavan, et. al, “Accidental ingestion of foreign object: Systematic review, recommendations and report of a case