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いびきや閉塞性無呼吸の治療の切り札

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シーパップ療法

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Photo: シーパップ用マスク、OrganicDeal Storefront

 

シーパップはContinuous Positive Airway Pressureの頭文字の日本語読みで、持続陽圧呼吸療法のことである。この治療法では患者に鼻から一定の圧力の空気を送り、呼気の最後で肺胞を開放することにより、呼吸負荷を減少させて、いびきや閉塞性無呼吸を防止するすることができる。

 

シーパップの滴定

睡眠検査室で患者に対してシーパップの滴定を行う。2から4cmH2Oの空気圧で滴定を開始し、1から2 cmH2Oづつ空気圧を増加させて、全ての睡眠ステージで閉塞が生じない最小空気圧に滴定を行う。

滴定により、増大した上気道抵抗及び呼吸負荷(いびき、呼吸補助筋の使用、胸腹部奇異呼吸など)が低減し、睡眠が改善する。

シーパップによる治療は8から12cmH2Oの空気圧で行われるが、重度の閉塞性無呼吸では20cmH2Oまでの圧力を必要とする場合がある。空気圧が12から14cmH2Oを超えると空気の漏れが生じたり、不快な症状により睡眠が妨げられることがある。

自動シーパップ装置の使用

睡眠検査室でシーパップの滴定ができないときは、自動シーパップ装置を使用して空気圧を10cm H2Oに設定する。短期的には、検査室でのシーパップの滴定を行った場合、または家庭で自動シーパップ装置を使用しても無呼吸低呼吸指数、傾眠、及び生活の質に関する効果には大きな違いはない(注1,2)。

 

呼気圧の低下

呼気圧を低下しても、治療効果の向上、患者の治療の順守、及び副作用の低減は期待できない(注3)。

 

シーパップ療法の効果

シーパップ療法の開始1日目からノンレム睡眠とレム睡眠が回復し、心拍数と血圧の急激な変動に改善が見られる。シーパップ療法を継続することにより日中の傾眠や不眠症が大幅に改善し、日中と夜間の血圧及び不眠症の原因となるカテコラミンのレベルが低下し、左心室駆出率及び拡張機能が向上する。

 

治療の順守

シーパップ療法を止めると、閉塞性無呼吸が再発するため、睡眠にはシーパプ装置を使用しなければならない。

 

 

(注1)Mulgrew AT, et al. “Diagnosis and initial management of obstructive sleep apnea without polysomnography: a randomized validation study”

(注2)Berry RB, et al. “Portable monitoring and autotitration versus polysomnography for the diagnosis and treatment of sleep apnea”

(注3)Nilius G, et al. “Pressure-relief continuous positive airway pressure vs constant continuous positive airway pressure”