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食道運動障害にかかったら

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噴門痙攣(アカラシア)の症状と治療方法

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症状

噴門痙攣の主な症状は液体と固形食物の嚥下障害、胃酸の逆流、及び胸痛である。患者によっては胃酸の食道うっ滞による胸やけ、体重減少、及び誤嚥性肺炎などのはっきりしない症状が現れる。このような症状では診断が遅れる。

 

診断

噴門痙攣は食道圧測定法とバリウムX線検査で行う。X線画像では食道が拡張し、バリウムがうっ滞し、下食道括約筋が鳥の嘴のような広がりが見られる。

食道圧測定法では下食道括約筋に高い残留圧力と蠕動収縮の消失が示される。

二次性噴門痙攣の原因として悪性腫瘍随伴症候、特に肺小細胞癌がある。腫瘍が抗神経抗体を作り出し下食道括約筋の自己免疫神経叢症として一次性噴門痙攣と似た症状が現れる。

近位胃癌など、ある種の腫瘍は下食道括約筋に転移又は直接浸潤するため噴門痙攣のような症状が現れる。このような場合は、内視鏡検査で確定診断を行う。内視鏡では患者は食道の拡張と食べた物のうっ滞が見られる。

 

治療

噴門痙攣の治療法として下食道括約筋の閉塞を解消する。主な治療法はボツリヌス毒素の注射、空気圧拡張、及び噴門筋層切開術がある。内視鏡検査時にボツリヌス毒素を注入することにより症状が改善し患者の90%で食道のうっ滞を解消が可能(注1)。

ボツリヌス毒素療法では、症状が1ないし2年で再発するため、より限定的な治療が受けれない患者にのみ適用する。従って、効果は限定的である。

臨床、X線検査、及び食道圧測定法で噴門痙攣が確定できないときにも、ボツリヌス毒素治療を行う。

空気拡張法では、X線検査装置を使用して食道括約筋を広げるために30から40mmのバルーンを留置する。バルーンを膨らませて下食道括約筋の筋繊維を引き裂く。一般的に、拡張法の5年成功率は40%である。空気拡張法では、患者の5%に穿孔のリスクがある。

第3番目の治療法がヘラー筋層切開術である。腹腔鏡を使用して行う。胃底ヒダ形成術を行い、胃食道逆流を防止する。

食道機能障害は体重減少、再発性誤嚥性肺炎、又は気管支圧迫を生じる。これらの病態は命にかかわるため、食道部分切除が必要になる。噴門痙攣の原因が悪性腫瘍の場合は、癌治療を行う。

 

予後

いずれの治療方法も対処療法であり、症状の緩和を目的とし、完治は期待できない。症状の再発は不完全な筋層切開、胃底ヒダ形成術におけるヘルニア又は縫合不全、食道狭窄、又はバレット食道による。噴門痙攣患者は食道の扁平上皮癌に進行するリスクがあるため、毎年検査を受ける必要がある。

 

注1) Leyden JE, et al, “Endoscopic pneumatic dilation versus botulinum toxin injection in the management of primary achalasia