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医学よもやま話

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閉塞性睡眠時無呼吸の病理

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過剰な体重で病状が悪化し、体重減少により症状が改善する。

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Photo: タニタ電子体重計

 

病因

閉塞性睡眠時無呼吸は咽頭の一部が完全又は部分的に閉塞して起こる。この病態では最小10秒間、空気の流れが停止する。

部分閉塞は呼吸低下とよばれ、機能的に空気の流れの減少であり、ヘモグロビンの酸素飽和度の減少又は睡眠からの突然の覚醒で、連続的な換気努力及び/又はいびきを伴う。

空気の流れの制限やヘモグロビンの酸素飽和度の減少で呼吸低下に至らないが、連続的な換気努力により睡眠から突然覚醒することを呼吸努力性覚醒とよぶ。

過剰な体重や体重増加により閉塞性睡眠時無呼吸が発症し悪化する。逆に、体重減少により症状が改善する。

過剰な体重は、胸壁の動きの制約、上気道のたわみの増加と狭隘化の進行、換気の不安定化、入眠時の上気道の抵抗増加補正機能を無効化する。

上気道が臨界咽頭圧で閉塞すると、次の呼吸時に拡張することが困難になり、胸腔内の負圧の増大に対して強い呼吸努力が必要になる。

気道が再開放すると、覚醒する。数回の過呼吸の後、睡眠状態に戻る。ヘモグロビン酸素飽和度と覚醒と睡眠状態移行の変化は呼吸のコントロールに影響を及ぼす。呼吸低下に続く過呼吸が閉塞性睡眠時無呼吸の顕著な特徴である。

閉塞性睡眠時無呼吸における呼吸の周期性は睡眠のステージにより変化する。浅い睡眠状態では覚醒と睡眠が繰り返される。

これらのステージでは、この病態の特徴として周期的に上気道が閉塞する。これに対して、深いノンレム睡眠では覚醒の減少、呼吸の規則化、及び上気道の閉塞が相対的に減少し、浅いノンレム睡眠より上気道の抵抗が増加する。

レム睡眠時に、呼吸補助筋の神経抑制が生じると肺胞低換気になる。閉塞性睡眠時無呼吸の特徴として、レム睡眠時に、上気道閉塞と換気・灌流不一致による重度の低酸素血症が現れる。

病理学

上気道が閉塞すると、連続的な無酸素症、胸郭内の負圧の増大、及び突然の自立神経及び反応的な覚醒が生じ、心臓及び脳血管に急激な変動が起こり、左及び右心室の後負荷の増大、左心室コンプライアンスの低下、肺動脈圧の増加、冠動脈血流の減少、及び心筋酸素需要の増大が生じる。

上気道閉塞時に突然覚醒すると、気道が再び開いて換気が戻り、交感神経ディスチャージが生じ、末梢血管の収縮及び心拍数および収縮期血圧および拡張期血圧が急激に上昇する。

従って、全身の血圧は特徴的に変動するが、無呼吸時の血圧は相対的に低い。上気道が開放すると、血圧は急激に上昇する。心電図に閉塞時の洞性徐脈及び覚醒時の脈拍の急加速が現れる。レム睡眠時には、迷走神経緊張、洞房結節、及び房室ブロックが見られる。閉塞性睡眠時無呼吸で心室及び上室脱出症並びに心房細動が生じる。

閉塞性無呼吸では、脳の血流及び酸素供給が減少する。閉塞が起こる度に、睡眠から突然覚醒するため睡眠が細分化し、健康を回復する睡眠が損なわれる。