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レム睡眠行動障害

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患者は夢を演じることにより、暴力をふるったり傷害を起こしたりする。

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photo:  プロザック(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)

 

 

レム睡眠行動障害は患者がレム睡眠時に夢の中の出来事を演じる病態である。

 

疫学と病理学

レム睡眠行動障害は男性に多く(約90%)、主に50歳以降に現れる。急性のレム睡眠行動障害は処方薬の副作用によることが多い。この病態を誘発する処方薬は抗鬱薬、特に選択的セロトニン再取り込み阻害薬である。

慢性レム睡眠行動障害は長い前兆の後に起こることがある。この病態は突発的又は神経変性疾患(パーキンソン病、多系統萎縮症、レビー小体認知症などのシヌクレイン病)に関係して起こる。レム睡眠行動障害が最初の症状であり、その後10年以上経過してから神経変性疾患が生じることもある。

ナルコレプシー患者にもレム睡眠行動障害が現れる可能性が高い。三環系抗鬱薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬によりレム睡眠行動障害が悪化することもある。

 

臨床症状

レム睡眠行動障害患者ではレム睡眠の特徴である筋無力症状が生じないために、患者は夢を演じることにより、暴力をふるったり傷害を起こしたりする。このような行動から患者は繰り返し内出血、裂傷、あるいは骨折などの怪我を負うこともある。

診断

レム睡眠行動障害の診断は病歴に基づいて行われるが、通常、睡眠検査が行われる。患者はレム睡眠時に筋電図計の動きが増加することから、診断を確定することができる。

 

治療

精神安定剤(ベンゾジアゼピン)を就寝前に服用することにより病態を効果的に抑えることができる(持続応答率は約90%)。メラトニンも効果があるとされている。