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高血圧の予防と治療

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生活習慣を変えることは高血圧治療の補助であって、代替にはならない。

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高血圧の防止には塩分摂取を減らし、運動の機会を増やし、新鮮な果物と野菜を多く摂取することが必要。しかし、血圧値が高血圧前段階まで上昇したら、生活習慣を変えただけでは正常の血圧値に戻ることはない。

 

低用量のアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)を短期間服用して、高血圧前段階から完全な高血圧に進行することを防止することが推奨されてきたが、服用を中止すると血圧は直ちに上昇している(注1)。従って一次性高血圧を効果的に治療するためには、高血圧薬を一生涯服用する必要がある。すなわち、生活習慣を変えることは高血圧治療の補助的な効果しかなく、代替にはならない。高血圧治療の目的は患者の生活の質を犠牲にすることなく、血圧を低下させ心血管疾患や末期腎不全のリスクを効果的に低減させることである。

 

臨床研究から高血圧薬は心血管疾患のリスクを低減し、効果は血圧低下に比例することが判明している(資料2)。しかし、治療を受けているほとんどの患者の血圧は最適値より高いため、健常者と同じレベルにリスクが低減していない。その理由として、医師の薬剤治療が不適切であることと、患者が指示通りに薬剤を服用しないことである。

 

ハイリスクの患者は複数の種類の薬剤で高血圧の治療を行わねければならない。複数種薬剤を低用量服用することにより副作用なくシナジー効果が得られる。心血管疾患のリスクを総合的に低減するためにはコレステロール降下薬の服用も必要である。

 

(資料1)Julius S, Nesbitt SD, Egan BM, et al. “Feasibility of treating prehypertension with an angiotensin-receptor blocker”, N Engl J Med

(資料2)Law MR, Morris JK, Wald NJ. “Use of blood pressure lowering drugs in the prevention of cardiovascular disease: meta-analysis of 147 randomized trials in the context of expectations from prospective epidemiological studies”, BMJ.