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医学よもやま話

医学情報をご提供します。

腎血管性高血圧

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腎臓の動脈が狭くなることによって起こる高血圧。

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Credit: Balloon Angioplasty, Balloon Angioplasty and Stenting Animation

 

病理と症状

腎動脈狭窄の主要な原因は高齢者の全身アテローム性動脈硬化と若い女性の線維筋性異形成である。

腎動脈狭窄及び高血圧症はしばしば共存するが、患者の高血圧が腎血管性であることや、血管形成術で腎臓灌流と血圧を改善することを意味しない。

片側の腎動脈狭窄は糸球体近接細胞への灌流不足が生じる。これにより、対側の腎臓が正常な血液量を維持できても腎性高血圧を引き起こす。これに対して、両側腎動脈狭窄(腎臓が1個しかない場合の片側狭窄)では進行性腎不全及び容量依存性高血圧の原因となる。

次の臨床症状は腎血管性高血圧の手がかりとなる。

高血圧で緊急入院、再発性肺浮腫、長期の高血圧症が悪化、若年者又は50歳以上の患者での重度な高血圧、ACEやARTに対する腎臓機能の急激又は進行性の悪化、X線検査での片側の腎臓の縮小、末梢アテローム性動脈硬化、及び腹部血管雑音。

診断

腎動脈狭窄はCT又はMRIで造影剤を使用して検査が行われる。ガドリニウムは腎性全身性線維症を起こす恐れがあるため、慢性腎不全患者には禁忌。

線維筋性異形成により腎動脈の中央に連続ビーズ状病変が生じる。侵襲腎血管造影法により腎動脈狭窄の確定診断を行う。

 

治療

線維筋性異形成はバルーン血管形成術で治療を行う。これに対して、高血圧とアテローム性動脈硬化のリスク要因を管理することは、アテローム性腎動脈狭窄の一次治療である。

薬剤耐性高血圧及び腎機能低下(虚血性腎障害)のある患者に対してバルーン血管形成術が行われる。アテローム性腎動脈狭窄は高血圧や進行性腎不全を起こすことはない。さらに、血管形成(バルーン血管形成術又はステント留置)を行うメリットはなく、逆に、合併症のリスクが大きい。