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腎実質性高血圧

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慢性腎不全が引き起こす高血圧症。

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photo:  人工透析機

 

疫学

二次性高血圧症の最大の原因が慢性腎不全である。慢性腎不全患者の85%以上で高血圧症が現れており、心血管疾患及び死亡の主因になっている。

 

病理

高血圧を引き起こすメカニズムは血漿量の増加と末梢血管の収縮である。末梢血管の収縮は血管収縮経路(レニン・アンジオテンシン及び自律神経系)の活動と血管拡張経路(酸化窒素)遮断により起こる。

検査

腎不全の検査は血清クレアチニンだけでは不十分で、採尿により、低アルブミン血症の検査を行う必要がある。尿中アルブミンを調べなければならない。クレアチニンは、腎臓が正常にはたらいていれば、尿として体外に排泄される。血液中にクレアチニンが多い場合は、腎機能が損なわれていることを意味し、尿中にアルブミンが多い場合は腎不全が進行していることを表す。

尿採取により、クレアチニン・クリアランスを計算して糸球体濾過値(GFR)が60mL/min/1.73m2以下であるかを調べる。

軽度(GFR:60から90 mL/ min/ 1.73 m2)又は中度(GFR:30から60 mL/ min/ 1.73 m2)のタンパク尿性慢性腎不全患者では、厳密に血圧を管理して末期腎疾患への進行を遅らせ、更に心臓血管障害のリスクを低減させなければならない。

 

治療

重度の腎不全患者では、高血圧の治療は困難であり、ループ利尿薬、血管拡張剤、β-アドレナリン遮断薬、中枢交感神経薬を使用した集中薬剤治療又は長期の血液透析を開始しなければならない。

長期の血液透析患者では、透析による低血圧を防止しながら、透析間の高血圧を防止しなければならない。透析患者の年間の死亡率は25%であり、この原因の少なくとも一部は高血圧性の心臓血管疾患による。