読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

医学よもやま話

医学情報をご提供します。

血圧測定 ― 血圧の正しい測り方と白衣性高血圧及び仮面性高血圧

advertisement

家庭での血圧測定は治療の一部である。

****

f:id:tpspi:20170414100822g:plain

photo:  24時間血圧計, エー・アンド・デイ

 

血圧測定

血圧は2回以上測定した平均に基づいて正常、正常高値血圧、高血圧に分類される。

血圧を測定するときは、5分間安静の後、患者は椅子に腰掛け、背中を椅子の背で支え、上腕に腕帯を直接巻き、心臓の位置で、少なくとも2回測定する。

血圧測定前、30分前にはタバコとコーヒは控える。大動脈狭窄の鑑別診断を行うときは、両腕で血圧を測定する。高齢者や糖尿病やパーキンソン病患者の起立転倒の鑑別診断を行うときは、起立後5分経過してから測定する。

家庭で、朝と夜2から3回、1週間、血圧測定を行い、少なくとも12回測定の平均値を求め、この値に基づいて診断を下す。家庭における目標血圧は135/85mmHg以下であり、冠動脈疾患、心不全、糖尿病、又は慢性腎臓病などのリスクの高い患者では130/80mmHg以下でなければならない。

 

家庭血圧

患者の血圧は24時間変動しており、様々な状況下で血圧を測定できなければ、正確な診断は出来ない。家庭での血圧測定により、患者の普段の血圧が分かり、血圧を正確に診断し治療することができる。

家庭で血圧を測定することにより心血管疾患をより正確に予測でき、クリニックでの測定との誤差を無くすことができる。また、患者は積極的に治療に関与できるので、自身の病状を理解でき、治療効果を高めることができる。すなわち、家庭での血圧測定は治療の一部である。

24時間血圧測定

24時間血圧測定により睡眠時の血圧を測ることができる。睡眠時は通常血圧が低下し、起床すると急激に上昇する。

24時間血圧測定は致死的及び非致死的な心筋梗塞や脳卒中の予測においてクリニックでの血圧測定より優れている。

 

24時間血圧測定が必要な患者

  • 白衣性高血圧患者(心血管疾患リスクが低いがクリニックにおける血圧値が高い患者)。
  • 仮面高血圧症患者(家庭とクリニックとにおける血圧測定値が大きく異なる患者)。
  • 夜間高血圧症患者。
  • 薬剤治療が困難な患者。
  • 起立性低血圧症、特に高齢者や糖尿病患者。
  • 妊婦で白衣性高血圧または子癇前症患者。

 

白衣性高血圧

クリニックにおける血圧測定値が上昇する患者の約20%は家庭又は24時間血圧測定では正常である。日中の血圧値が135/85mmHg未満(望ましくは130/80mmHg)で臓器不全がなければ、クリニックにおける血圧測定値が高くとも、クリニックでの血圧測定に対するアドレナリン反応による白衣性高血圧である。

この場合の心血管疾患リスクは正常血圧患者と高血圧患者の中間である。患者の多くは単なる白衣性高血圧ではなく、治療を必要とする高血圧症と白衣に対する反応が重なったものである。

24時間血圧測定からクリニックで高血圧症と診断された患者の30%までが血圧が適正であり過剰な治療を受けていることが判明している。

 

仮面性高血圧症

患者によっては、クリニックにおける血圧測定値が24時間血圧測定値を下回っている。これは交感神経の過活動(仕事や家庭のストレス、又は喫煙による)がクリニックで解消している。仮面性高血圧は患者の10%をしめ、心血管疾患のリスクが高まる。