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医学よもやま話

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肺炎の病理学的検査 ― 喀痰培養と細菌培養

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病原体が通常の治療法で対応できない場合に限り喀痰のグラム染色と培養が行われる。

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喀痰グラム染色及び培養

肺炎が疑われる患者に対して病理学検査を行うことについては効果を疑問視する意見が多い。検査をしても、肺炎患者の半数で病原体が検出できないからである。

 

更に、肺炎患者には可能性の高い感染病原体に基づいて、比較的毒性の低い抗生剤で十分効果が出るからである。従って、病原体を正確に突き止める必要性は明確になっていない。

 

コミュニティ感染肺炎患者にグラム染色による喀痰検査を行う必要性についても意見が分かれている。米国胸部学会は病原体が通常の治療法で対応できない場合に限り喀痰のグラム染色と培養を推奨している。

 

グラム染色を効果的に行うためには、喀痰には光学顕微鏡の弱拡大視野に扁平上皮細胞の数は10個以下で白血球の数は25個以上でなければならない。グラム染色により被包性のグラム陽性肺炎双球菌又は多形のグラム陰性球桿菌など主要な病原体を単体で同定することができる。

コミュニティ感染肺炎患者において、グラム染色による検出物と肺胞内容物の培養結果とは明確に一致しない場合が多い。しかし、喀痰検査は結核菌、真菌、レジオネラ菌など特定の感染の検出に有効である。

 

コミュニティ感染肺炎患者に喀痰グラム染色を行うことにより、特殊な病原体を検出し、抗生物質療法を拡大することができる。喀痰のサンプルが適切に得られず、グラム染色が正しく判定ができない場合が多い。従って、最初の肺炎治療は可能性が最も高い病原体に基づいて行う。

 

稀な病原体又は薬剤耐性病原体の場合は、抗生物質療法を開始する前に、採取した喀痰を培養する。培養結果をグラム染色による病原体と比較する。

 

喀痰培養の感度と特異度は最適でなく、それぞれ50%である。しかし、分離した病原体の抗生物質感受性情報を治療成果が出ていない患者に利用できる。

 

細菌培養

血液、胸水、又は脳脊髄液など通常無菌の体液の培養を行う。

 

細菌性肺炎患者の約4分の1が菌血症である。症状の重い患者に抗生剤を投与する前に血液培養を行う。浸出液を安全に吸引できる場合は診断的胸腔穿刺を実施する。

 

髄膜炎の徴候又は症状が現れていたり、神経の検査で異常がある場合は脳脊髄液検査を行う。