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高血圧症治療の問題点

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高血圧症の行き着く先は冠動脈疾患と脳卒中

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photo:  オムロン電子血圧計

 

高血圧症は収縮期血圧と拡張期血圧が140/90mmHg以上であると定義されている。

 

高血圧症治療の問題点

しかし疫学データによれば、115/75mmHgの低い収縮期血圧と拡張期血圧でも冠動脈疾患や卒中による死亡リスクがあることが判明している。伝統的な高血圧症の定義には疑問が投げかけられている。

 

高血圧と正常血圧との二分類では、正常と考えられてきた血圧値により血管が不可逆的に悪化してしまい、治療の開始が遅れてしまう。冠動脈疾患などのリスク高い患者では、治療を開始すべき血圧値を130/80mmHgと規定されている。

 

疫学

厚生労働省の2014年統計によれば日本の高血圧症患者数は約1010万人、死亡者数は6932人。高血圧症は死亡原因の上位を占め、患者が医療機関にかかる最大の理由である。高血圧症は卒中、心筋梗塞、心臓病、末梢血管疾患、大動脈解離、心房細動、及び末期腎疾患のリスク要因である。

 

脳卒中の約54%、虚血性心疾患の約47%が高血圧症によるものである。これら疾患の約半数が高血圧症の定義に適合しており、残りは正常高値血圧の患者である。

 

治療が遅れる原因

高血圧症はほとんど症状が現れず、絶えず血圧が変動することから医療機関の受診と治療が遅れてしまう。

 

食事や運動を改善することにより、血圧はある程度低下させることができるが、薬剤の服用を不要にするほど低下させることはできない。

 

これらの理由から、高血圧症患者の3分の1以下しか140/90の値が達成されていない。

 

薬剤服用条件(種類、回数)、費用、副作用、医師の指導不足により患者が薬剤を正しく服用しなくなる。医師は薬剤の投薬開始と増強が遅くなっている。

 

正しい取り組み

血圧を正しく管理するためには医師による継続的な患者の治療と教育、及び患者の継続的な治療への積極的な関与が不可欠である。