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レビー小体型認知症の診断と治療

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認知障害、神経精神障害、運動障害、睡眠覚醒調節障害。

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photo:  抗パーキンソン病薬、レボドバ

 

レビー小体型認知症には4つの主要な症状がある。認知障害、神経精神障害、運動障害、及び睡眠覚醒障害。

 

認知障害はアルツハイマー型認知症と一部重複しているが視空間失認、集中力欠如、注意力欠如が現れる。

 

患者によては前頭側頭葉変性症のような実行機能障害が起こる。前向健忘も現れるがアルツハイマー病より軽度である。言語障害も少ない。

 

神経精神症状として無関心、積極性の欠如、及び鬱症状が現れ、認知症状より患者に対する影響が大きい。運動障害として動作緩慢、歩行障害、姿勢障害、及び硬直が生じる。

 

認知障害の後、安静時振戦が生じることは稀である。幻覚、認知と敏捷性の変動、レム睡眠行動障害が睡眠覚醒調整障害として現れる。患者は敏捷性と覚醒が日々大きく変動する。

 

レム睡眠行動障害は話したり、体を動かしながら夢を見る睡眠時異常行動である。

診断

レビー小体型認知症の診断は臨床データに基づいて行われる。臨床データでは認知障、運動機能、神経精神動作、及び睡眠覚醒調節異常を示す。神経精神テストにより記憶、実行機能、及び視空間機能を調べることができる。レビー小体型認知症の診断には画像検査はあまり使用されない。

 

治療

レビー小体型認知症では、認知障害、神経精神障害、運動障害、及び睡眠覚醒障害が同時に起こるから、患者の治療は容易ではない。

 

運動障害は抗パーキンソン病薬で治療を行う。

 

患者に顕著な歩行又はバランス障害があると、患者の安全が損なわれ、また身の回りの世話ができなくなる。

 

これらの薬剤は幻覚症状や昏迷を悪化させる恐れがあるが、運動障害により患者の安全が損なわれ、また身の回りの世話をできなくなる場合は、薬剤による治療を優先させる。

 

患者の幻覚と興奮症状は患者自身と家族を苦しめることになるため、治療が必要である。抗精神病薬は症状を抑えることができるが、レビー小体型認知症のパーキンソン病の症状を悪化させる可能性がある。

 

鬱症状の治療により患者は機能の維持がはかれる。新しい抗うつ薬は副作用が少なく、症状の改善が期待できる。

 

予後

アルツハイマー病患者と異なり、レビー小体型認知症患者は急激に病気が進行し、生存の見込みは低い。

 

レビー小体型認知症発症前にレム睡眠行動障害が現れるので、早期の診断により治療により症状の軽減が図れる。レビー小体を構成するタンパク質αシヌクレインの生産と変性の解明により、有効な治療法の確立につながることが期待されている。