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医学よもやま話

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血管性認知症

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リスク要因は心臓血管疾患、糖尿病、及び高血圧。

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血管性認知症は脳梗塞が原因の認知症である。

 

脳血管疾患による認知障害で、認知症ほど重くない疾患を血管性認知障害とよぶ。

 

脳血管疾患による認知症候群の判断基準

臨床的に注意すべき脳血管疾患は:

  • 認知障害の発症又は卒中から3ヶ月以内に生じる認知障害の悪化。
  • 両側視床梗塞が画像検査で認められる。

 

疫学

認知症患者の約20%が脳血管性である。アルツハイマー病と同様に、65歳未満の患者は少なく、高齢になると増加する。男女の有病率はほぼ同数である。

 

リスク要因

脳血管性認知症のリスク要因は心臓血管疾患、糖尿病、及び高血圧である。卒中後1年で認知症にかかるリスクは健常人の9倍となり、翌年のリスクも2倍である。

病理

認知障害を起こす血管疾患の大部分はアテローム性動脈硬化症である。1番目の発症メカニズムは頸動脈及び前、中央、及び後大動脈など主要な脳血管の閉塞である。

 

2番目の発症メカニズムは視床、脳幹神経節、及び皮質下白質における小動脈の閉塞である。これらの病変はMRIで調べることができる。海馬体、視床中央、尾状核、及び頭頂連合野の梗塞部では認知障害を起こしやすい(必ずしも認知症ではない)。

 

微小梗塞は認知症の関与が疑われている。肉眼では見えないが、光学顕微鏡で確認できる。アルツハイマー病と血管性認知症は通常同時に発症する。

 

この他の血管性認知症の原因として皮質下梗塞及び白質脳症を伴う大脳常染色体優性動脈疾患(CADASIL)がある。この疾患は稀な遺伝性疾患である。主に30から50歳の間で発症し重度な白質脳症、頭痛、及び認知症を生じる。

 

CADASILの原因は染色体19q12のnotch3遺伝子の突然変異である。大脳アミロイド血管障害はアミロイドβが軟髄膜と皮質表面の中小の動脈の中膜に沈着して大脳出血を起こし、認知症に至る場合がある。

 

大脳アミロイド血管障害はアルツハイマー病でも現れるが、出血はアルツハイマー病では生じない。