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アルツハイマー病の症状 ― 前向健忘と視空間失認

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軽度では時折の失念であるが、重度になると身の回りの世話ができなくなる。

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前向健忘

アルツハイマー病の初期では前向健忘により新たな情報が記憶できなくなる。患者は最近の出来事や会話の内容を忘れ、物の置き忘れ、今日の日付が分からなくなる、家の中で迷子になり、失禁したり、やろうと思っていたことが途中でできなくなったりする。時たまの失念が継続的な失敗になってしまう。

 

エピソード記憶の喪失

アルツハイマー病が軽度のときでも、患者は経験した記憶であるエピソード記憶を失っている。しかし、この段階では、いつものルーチンワークはこなせ、簡単な食事は作れ、近所を散歩しても迷子にならない。

 

初期の症状

アルツハイマー病が軽度のときは、いつものルーチンワークはこなせ、簡単な食事は作れ、近所を散歩しても迷子にならない。

 

軽度であっても、患者は経験した記憶であるエピソード記憶を失っている。患者は薬の飲み違い(飲み忘れ、飲み過ぎなど)やお金の支払いができなくなる。知らない所に出かけると帰り方がわからなくなってしまう。

 

認知能力が失われると患者の性格に変化が現れる。冷淡になり、主体性が欠如し、以前の趣味に興味を示さなくなる。

 

病状の進行

病気が進行すると、日常生活がだんだん困難になってくる。食事の支度、交通機関を使うことや、家事に人の手助けが必要になる。

 

病気が重度になると、入浴、着替え、トイレ、食事などの身の回りの世話に人の介護が必要になる。

 

末期の症状

病気が末期になると、すべてのコミュニケーション能力が失われる。しかし、運動機能は損なわれない。

 

アルツハイマー病患者は衰弱した老人と同じ病気で死を迎える。敗血症、肺炎、心筋梗塞など。

 

余命と進行速度

軽度の認知症と診断された患者は毎年10%ずつ症状が重くなってゆく。アルツハイマー病の闘病期間は長期である。軽度の認知症から死亡までの期間は2から3年の短期から10年の長期と個人差がある。

 

視空間失認

稀に、アルツハイマー病に健忘症以外の障害が現れることがある。前向健忘ではなく視空間失認が生じることがある。この症状を後部皮質萎縮症とよぶ。

ドア、廊下、窓、などそれぞれの位置はわかっているが、全体を空間として捉えることが出来なくなり、部屋から出れなくなる。