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医学よもやま話

医学情報をご提供します。

閉じ込め症候群

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患者は目のまばたきでしか、意思を伝えることができなくなる

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credit:  コミュニケーションボード、ryubundo

 

閉じ込め症候群は覚醒及び意識があるが、四肢麻痺と下部脳神経麻痺により感情を顔で表現したり、体を動かしたり、話をすることができなくなる。

 

この病気では脳橋出血又は梗塞により四肢麻痺が起き、下部脳神経及び水平凝視を制御する脳の部位が破壊される。

 

この病気では、患者の認知機能は損なわれることはなく、患者は目を開き、通常の睡眠・覚醒サイクルを保ち、見ること聞くことができる。しかし患者は顔を動かすこと、物を噛むことや飲み込むこと、話すこと、呼吸すること、四肢を動かすこと、目を横に動かすことができない。患者は目を上下に動かすことができるので、まばたきで患者は意思の疎通を図ることになる。

 

診断

患者は運動反射を失っているため、意識がないものと誤診されることがある。

CT又はMRI画像検査により脳橋の異常を調べ、PET、SPECT、又はfMRIにより脳機能を検査することができる。脳波計により睡眠・覚醒サイクルを調べることができる。

 

治療

閉じ込め症候群には特定の治療法は存在しなので、治療の中心は対処療法である。例えば、寝たきりによる全身の合併症を防止する(肺炎、尿路感染、血栓)。栄養を取る。床ずれを防ぐ。四肢拘縮防止のための身体療法を行う。

 

患者は、言語療法士から、まばたきによる意志の疎通を図る方法を学ぶことができる。

 

認知機能は損なわれていないので、コミュニケーションボードやパソコンを使って人とコミュニケーションを取ることが可能である。

 

予後

予後は閉じ込め症候群の原因及び患者に対するサポートのレベルにより異なる。一過性の虚血又は椎骨脳底動脈における軽度の卒中が原因の場合は病気は完全に治癒する。閉じ込め症候群の原因の病気が治癒可能な場合は、数ヶ月で寛解することもあるが、多くの場合、完治は望めない。

 

横方向の目の動きが早期に回復したり、運動皮質に対する磁気刺激に対する誘発電位が早期に回復すると、予後は良くなるが、治癒が望めない病気や症状が悪化する場合(例えば、後頭蓋窩及び脳橋を含む癌)は死に至る。