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外傷性脳脊髄損傷の予後

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頭にホールが当たって、安易にスポーツを続けると悪化して死に至ることがある

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外傷性脳損傷

外傷性脳損傷患者の予後は最初に行われる神経学検査で精度高く予測できる。重度の外傷性脳損傷の予後の指標としてグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)が使用されている。

 

GCSスコアによる生存率

最初のGCSスコアが低いと、神経の機能回復の見込みは低い。外傷性脳損傷患者のスコアが8であると、回復の見込みは40%あるが、スコアが3であると7%に低下する。

 

スコアが3の患者は27%しか生存できないが、スコアが8では88%が生存できる。傷害から6時間経て、スコアに変化がないか、低下する場合は、症状が悪化する。傷害から24時間後の予後は瞳孔応答、運動応答、及び年齢で異なる。

 

二次的衝撃症候群

軽い外傷性脳損傷を負い、完全に回復する前に、更に頭に外傷を負うと二次的衝撃症候群が現れ、症状が悪化する。特に、児童や青年では、外傷性脳損傷を連続して負うと、数分のうちに昏睡状態に至る。自己調節が効かなくなり、びまん性脳浮腫、及び頭蓋内圧亢進が起こる。二次的衝撃症候群の致死率は高い。

外傷性脊髄損傷

外傷性脊髄損傷では、完全な運動及び感覚障害があると予後は悪くなる。障害が24時間続くと、回復の見込みがなくなる。これに対して障害が重度であっても部分的であれば、回復の可能性は高くなる。

 

米国脊髄損傷協会では外傷性脊髄損傷の区分と回復の見込みを次のように区分している。

等級

障害

定義

回復可能性

A

完全

運動機能又は感覚機能なし

15.5%(頸部)、7%(胸部)

B

部分

感覚機能あり、運動機能なし

47%

C

部分

運動強度(3未満)

84%

D

部分

運動強度(3以上)

84%

E

なし

感覚及び運動機能正常

100%