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医学よもやま話

医学情報をご提供します。

外傷性脊髄損傷により臓器の影響と治療

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脊髄がダメージを受けると、排尿や排便も思うようにできなくなる

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credit:  Spine, OrthoInfo

 

腹壁の筋肉組織は胸神経T7からT12の支配を受ける。胃、小腸、肝臓、膵臓、及び近位の大腸の3分の2は胸神経T5から腰神経L2の支配を受ける。

 

脊髄損傷がこれらの神経より上であると臓器の機能が損なわれる。

 

腸閉塞

腸閉塞が生じた場合は、経鼻胃チューブで胃を広げる。患者に対して、直ちに非経口栄養法を開始する。胃腸運動が回復した後に経腸栄養法を開始する(通常2から3週間)。

 

胃潰瘍

適切な予防を講じなければ、患者の約3分の1にストレス誘因性胃潰瘍が現れる。H2受容体拮抗薬又はプロトンポンプ阻害薬の使用により潰瘍の発生が抑えられる。

膀胱緊張喪失

脊髄ショックで膀胱緊張が失われることがある。フォーリー・カテーテルを膀胱内に最小5から7日留置して排尿及び尿の量と腎機能の検査を行う。脊髄ショックが解消したら、膀胱の膨張により自律神経反射異常が起こることがある。発汗、皮膚の赤発、及び血圧上昇を特徴とする。触診及び打診により膀胱の膨張がわかる。膀胱トレーニング又は断続的カテーテル法で治療可能である。

 

大腸宿便

脊髄損傷により大腸の神経支配が失われるため、大便は上行結腸から横行結腸まで進むが、下行結腸から直腸には運ばれ難くなり、宿便する。

 

肛門灌注により便秘、大便失禁などが改善でき、患者の生活の質を改善できる。