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三叉神経痛

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顔に風が当たっただけで死にたくなるほどの痛みがでる

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疫学

三叉神経痛は三叉神経が刺激を受けると、激痛が生じる疾患。三叉神経痛の有病率は10万人に4人。年齢層は50から60代が多く、女性患者と男性患者の比率は1.5対1の割合である。

 

病理学

若年層では多発性硬化症により、高齢者層では椎骨脳底動脈の拡張によるものが多い。三叉神経根底部が病変部位であると考えられている。この部位で髄鞘脱落や圧迫が起こることで、求心性線維に「発火」が生じる。

臨床症状

三叉神経痛は神経の鋭く、ズキズキした、電気ショックのような痛みである。頬、顎、目の周りに生じる。頬と顎に一番痛みが現れやすい。

 

発作が現れる時間は短く、数秒から2分程度である。患者によっては鈍痛が持続することもあるが、ほとんどの患者は断続的な痛みである。刺激が痛みを誘発する。例えば、顔を触ったり、歯を磨いたり、顔に風が当たったり、硬いものを噛み砕いたりする動作が痛みを誘発する。

 

三叉神経痛の特徴として痛みが連発した後、不応期になり、神経が反応しなくなり、痛みが出なくなることがある。

 

診断

三叉神経痛と診断するためには、頬、顎、又は目の周りに発作性の痛みがが数秒から2分間続き、強い痛み、差し込むような痛み、又は誘因により発症する要件を満たしている必要がある。

 

三叉神経痛では他の神経障害を併発しない。突発性三叉神経痛には原因となる疾患が存在しないのに対して、症候性三叉神経痛は三叉神経根底部の血管による圧迫が原因と考えられている。

 

鑑別診断として三叉神経・自律神経性頭痛、非定型顔面痛及びトロサ・ハント症候群(偏側性眼筋麻痺)があげられる。

 

治療

三叉神経痛は薬剤又は外科手術で治療を行う。

 

一次治療薬としてはカルバマゼピンが使用される。

 

外科手術としては微小血管減圧術により症状を緩和し、感覚を温存することができる。または、熱又は薬剤で三叉神経を部分的に破壊する。

 

予後

症状は自然に又は薬剤で緩和することができる。微小血管減圧術により治癒することもある。