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医学よもやま話

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薬理学的昏睡 ― バルビツール誘発性昏睡

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バルビツール薬を適量投与することにより患者を一時的に昏睡状態にして、脳の活動を抑えて、回復させる

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バルビツール誘発性昏睡はバルビツール薬を適量投与することにより患者を一時的に昏睡状態(深い無意識状態)にする療法である。

 

バルビツール誘発性昏睡は主要な脳外科手術で脳を保護するために行われる。さらに、癲癇重積持続状態で他の治療で効果がない場合、最後の手段として使用される。この治療法を行うときは、患者は全身麻酔又は昏睡状態であるので、人工呼吸器などを使って、気道確保が必要である。

 

バルビツール薬の効果

バルビツール薬は脳の血流や脳組織の代謝速度を低下させる。これにより、脳の血管が狭くなることにより、脳内での体積が減り頭蓋内圧が低下する。

 

脳内の腫脹の軽減や頭蓋内圧の低下により脳の損傷が回避できる。バルビツール誘発性昏睡により死亡率の低下が多くの研究により裏付けられている。

反対の意見

頭蓋内圧上昇を抑えるためにバルビツールを使用する効果について反対の意見もある。バルビツール誘発性昏睡は頭蓋内圧上昇を押させることはできるが、脳内出血を効果的に防止できないとする研究もある。

 

バルビツール誘発性昏睡療法の制限

頭蓋内圧上昇の抑制効果が持続できない場合がある。更に、脳外科手術、脳の外傷、脳動脈瘤の破裂、脳内出血、脳梗塞、癲癇重積持続状態などの病態ではバルビツール誘発性昏睡は生存率の向上や症状の改善につながらない。患者が死を免れても、意識回復後に認知障害が生じる可能性がある。

 

バルビツール薬の投与

脳ではグルコースと酸素の約60%を電気的活動に、残りは代謝活動などに使われている。バルビツールが投与されると、脳の電気的活動が低下し、代謝及び酸素の需要が低下することが脳波記録計で測定できる。

 

脳波記録計で群発‐抑制交代が認められるまで、バルビツールの投与を続ける。患者の様態が改善したら、減薬することにより患者は意識を取り戻すことが可能になる。