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医学よもやま話

医学情報をご提供します。

外傷性脳損傷の治療

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軽度又は中度の外傷性脳損傷患者は救急病院に搬送されるまでに意識が正常に戻ることがある。脳震盪が重度であると意識回復に時間がかかる。

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外傷性脳損傷の種類

外傷性脳損傷には緊急の外科手術が必要となるものと、そうでないものがある。穿通創、脳内出血(硬膜下出血及び硬膜内出血を含む)、及び頭蓋骨骨折(変位骨折及び頸椎亜脱臼)では緊急手術が必要になる。これに対して、限局性、低酸素、無酸素、びまん性軸索、びまん性微小血管性などの障害では外科手術は不要である。

 

外傷性脳損傷の特定

外傷性脳損傷が特定できないときは、患者はICUで治療をうけなければならない。患者の病態がグラスゴー・コーマ・スケールのスコアが8以下のときは、頭蓋内圧モニターを使用する。脳室内カテーテルを使用すれば精度の高いデータが得られる。

 

治療目標

治療の当面の目標は外傷を抑え、脳の機能を温存し、可能であれば脳機能を回復し、二次的な合併症を防ぐことである。しかし、現在行われている治療は灌血流圧の維持、頭蓋内圧上昇の最小化、及び間接的な浮腫の治療に限定されている。

初期治療

患者が病院に到着する前に患者の灌流と酸素供給を最適に維持しなければならない。低酸素症と低血圧の期間と重症度により治療効果は大きく左右される。気道と心肺機能確保、外傷性脳損傷の可能性の判断、及び低酸素症と虚血などの二次的な事故を減らす。

 

重度の外傷性脳損傷

グラスゴー・コーマ・スケールのスコアが8以下であると、症状は重いと判定される。意識消失状態で、咽頭反射があっても、患者は呼吸が維持できない場合がある。状況に応じて、気管内又は鼻気管挿管が必要。

 

患者にはネックカラーを着用させて、首を30度持ち上げなければならない。ネックカラーは画像検査が終わるまで頸椎を保護するだけでなく、脊髄を正しい位置に戻したり、痛みの軽減に役立つ。

 

頭蓋内圧上昇が疑われるときは、高張生理食塩水を中心静脈カテーテルから輸液する。

 

ステロイドの静脈注射は効果がなく、外傷から2週間での死亡率が高くなる。

 

頭蓋内圧上昇の防止に加えて、脳灌流圧を維持しなければならない。

 

輸液のみで適切な脳灌流圧が得られないときは、血管作用薬を使用する。動脈圧ラインや頭蓋内圧上昇カテーテルを使用した侵襲的血行動態モニタリングが必要である。

 

薬理学的昏睡と外科的減圧術

輸液等で頭蓋内圧上昇が抑えることができないときは、薬理学的昏睡又は外科的減圧術が行われる。頭蓋内圧上昇における薬理学的昏睡の効果は大脳の代謝の低下によるものと考えられている。薬理学的昏睡ではペントバルビタールを投与する。