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頭蓋内圧低下症

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脳内の脳脊髄液の漏れによる脳圧低下

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疫学

頭蓋内圧低下症は頭痛を引き起こす疾患で、患者が仰向けになると頭痛が収まり、起き上がると悪化する。この頭痛は一次性頭痛のことも、他の疾患により引き起こされる二次性頭痛の場合もある。原因として腰椎穿刺が考えられる。

 

頭蓋内圧低下症は以前は、まれな疾患であると考えられていたが、最近の画像診断技術の向上により10万人につき5人の割合で見つかっている。

 

病理学

原発性の頭蓋内圧低下症の原因として腰部の硬膜からの髄液の漏れが考えられる。硬膜の破れによるものか、硬膜外の低静脈圧によるものである。

 

臨床症状

頭蓋内圧低下症は臨床的には痛む位置が移動する頭痛を特徴とする。後脳ヘルニアを発症すると、複視が現れる。

診断

頭蓋内圧低下症の診断ではMRIにより髄膜肥大及び後脳ヘルニアを検査する。脊椎穿刺を行うと髄液圧の低下が見られる(50mmH2O以下)。鑑別診断には慢性連日性頭痛、片頭痛、又は二次性頭痛があげられる。アイソトープ検査又はCT脊髄造影で髄液漏が検出できれば、頭蓋内圧低下症が確定する。

 

治療及び予後

髄液漏の治療として安静、カフェイン摂取、輸液が考えられる。硬膜穿刺後の頭痛には、硬膜外腔に自家血を注入する「硬膜外血液パッチ」により頭痛が緩和する。髄液漏の治療として外科手術はほどんど行われない。治療により症状とMRIで検出した病変は解消する。