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頭蓋内圧亢進症 - 頭痛が視覚障害になる

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治療を誤ると視覚障害が起こる

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photo:  タニタ体組成計

 

頭蓋内圧亢進症は出産年齢の肥満女性で原発性および特発性の疾患である。二次性の頭蓋内圧亢進症として脳静脈血栓症、脳腫瘍、水頭症、頭蓋内疾患などがある。

 

疫学

突発性で原発性の頭蓋内圧上昇は15歳から55歳の肥満女性で10万人毎で20人の割合で発症する。女性の発症率は男性より多い。

 

病理学

原発性の頭蓋内圧亢進症の原因は脳脊髄液の吸収低下、二次性の頭蓋内圧亢進症は静脈血栓、脳腫瘍、水頭症などが考えられる。

臨床症状

突発性頭蓋内圧亢進症では90%以上の患者で頭痛が生じる。この他の症状としては拍動性耳鳴、一過性視覚障害、及び複視がある。

 

検査で視神経乳頭浮腫が見つかる可能性がある。突発性頭蓋内圧亢進症患者では一般検診や神経学検査では異常は見つからない。検査結果に異常がある場合は二次性の頭蓋内圧亢進症が疑われる。原因として静脈洞血栓症、虚血性卒中、中枢神経の感染、脳腫瘍がある。患者により突発性頭蓋内圧亢進症が数年間寛解しない場合もあるが、通常は自然治癒する。患者の3分の1で視神経乳頭浮腫の影響で永続的な視覚障害が起こる。

 

診断

頭蓋内圧亢進症の診断は臨床症状と視神経乳頭浮腫の徴候に基づく。二次性の頭蓋内圧亢進症を除外するためにはMRI検査が必要。MR又はCT静脈造影により静脈洞血栓を除外する。頭蓋内腫瘤病変のような禁忌がなければ脊椎穿刺を行う。髄液圧の上昇がみられる(>200mmH2O)。視野検査で頭蓋内圧亢進症の進行を調べる。

 

治療と予後

頭蓋内圧亢進症の治療には利尿薬のアセタゾラミドが使用されている。二次性頭蓋内圧亢進症では原因の疾患を治療する。患者が肥満状態の場合は減量を行う。これらの治療で予後は良くなるが、治療を誤ると、3分の1の患者でで視野又は視力が失われる。