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医学よもやま話

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片頭痛

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片頭痛は遺伝性の頭痛で、視覚、感覚、又は運動性の前兆が現れる

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片頭痛は遺伝性であり、通常は頭の片側で現れるが、両側の場合もある。頭痛は中程度から重度まであり、体を動かすと悪化する。羞明及び騒音恐怖症を伴う。頭痛は4時間から72時間続く。ときに前兆(視覚、感覚、又は運動性)が現れる。視覚性前兆には光視症と視野暗点がある。

 

疫学

片頭痛の罹患率は女性の約20%、男性の約7%である。子供における片頭痛は17%で男女とも同率である。女性の罹患率は思春期で上昇し、生涯高い罹患率が続く。25歳から55歳に於ける罹患率が一番高い。前兆のある片頭痛の罹患率は成人の5%であり、前兆の90%が視覚性である。

 

片頭痛の共存症として癲癇、卒中、鬱病、不安障害、心筋梗塞、卵円孔開存(心房中隔の孔が開いている)、レイノー症候群(指の浮腫、皮膚の硬化、指先の潰瘍)、過敏性大腸炎、及び疼痛性障害(結合組織炎など)がある。女性では排卵期では頭痛の頻度が増す。

 

病理学

片頭痛は硬膜の三叉神経の求心性ニューロンが刺激を受けて生じる。片頭痛の前兆は大脳皮質拡延性抑制によるものであると考えられている。

臨床症状

片頭痛の症状として、吐き気、嘔吐、光や音に過敏になる。この他の症状として首の痛み、めまい、臭気恐怖症、及び集中力がなくなる。

 

片頭痛の前兆は一般に視覚性であるが、感覚性の場合があり、失語症状や目眩が現れる。

 

診断

片頭痛の診断は病歴に基づく。鑑別診断には緊張型頭痛が含まれる。中程度から重度の頭痛は片頭痛の可能性が高い。二次頭痛を疑わせる病歴がある場合はMRI検査を行う。頭痛が典型的な片頭痛で神経の検査に異常がなければ、片頭痛と確定診断される。

 

治療

片頭痛の治療は急性の頭痛の治療と片頭痛発作の防止にわけられる。急性の頭痛の治療は鎮痛薬単剤療法、鎮痛薬多剤療法、及びオピオイド療法である。

 

軽度の発作では、市販鎮痛薬(アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬)を投与する。妊娠時には、中度から重度の発作はアセトアミノフェンを投与。中度の頭痛はアセトアミノフェン、血管収縮薬、及び鎮静剤を組み合わせる。

 

頭痛の種類に応じた治療により、症状の改善や薬剤の使用を減らすことができる。片頭痛用の薬効は患者により異なる。鎮痛薬の過剰投与は慢性頭痛を誘発する。適切な薬剤を早期に投与すると効果が高くなる。

 

オピエート(天然アルカロイド)は妊娠時又は重度の血管疾患でない限りは慢性再発性一次性頭痛には投与できない。オピエートを投与する場合は、頭痛の再発や薬剤の依存性についてのリスクを患者と医師で確認しなければならない。片頭痛用の薬剤が使用できないときはバルビツール薬の使用も可能である。 

 

予防

1ヶ月に3日以上、頭痛で生活に支障がでたり、頭痛が重度で長引くとき、又は片頭痛が脳梗塞などで悪化したときは予防的治療を行う。予防薬としてβブロッカー、カルシウムチャネル阻害薬、非ステロイド性抗炎症薬、三環系抗うつ薬、及び抗痙攣薬を投与する。代替薬剤として、セロトニン作動薬やモノアミン酸化酵素阻害薬も効果がある。鍼やバイオフィードバックも有効である。

 

予後

片頭痛患者の予後は患者により異なる。患者の多くは年齢とともに頭痛の強度が低下する。しかし、片頭痛の兆候は高齢なるとより頻繁に現れる。発症誘因であるチラミン、フェニルエチルアミン、及びエタノールの摂取を控える。不眠症を抑える。さらに、過剰な光、音、臭いを避ける。