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医学よもやま話

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求心性神経と遠心性神経

整形外科 神経学

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脊髄損傷後、患者が体を動かせるかどうかは求心性神経と遠心性神経の損傷の程度による

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image:  打診器/ティラーハンマー(かっけ診断用)

 

脊髄損傷は運動と感覚システムに異常をきたす。

 

神経系の複雑な構成

神経系は中枢神経系と末梢神経系の2つに大きく分けられる。中枢神経系は脳と脊髄から構成される。末梢神経系は神経ネットワークで構成され、体の各部につながっている。両方の神経系の神経が連携して人間は考えたり、生命活動を維持したり、行動することができる。

 

神経系の機能

神経系は信号の入力と出力、すなわち認識と反応に基づいている。生物は周囲に起こっていることを知覚し、これに対して反応することができる。

 

神経系は人間の体が活動できるように接続されている。神経系は体の位置を検知し、関節や筋肉を伸び縮みさせる。神経系は体の状態を常に把握しながら、人間の意識に基づいたり、無意識に体の動作を制御する。

複雑なシステムの構成部品

神経系は複数の種類の神経から構成されている。神経は休みなく活動を続けており、知覚器官(目、耳、など)より情報を受け取ると中枢神経系に送る。この種の神経を求心性神経とよぶ。神経は更に中枢神経系からインパルスを受けて手足や臓器に送る。この種の神経を遠心性神経とよぶ。

すなわち、求心性神経は知覚器官からの刺激を脳に伝え、遠心性神経は運動刺激を筋肉に伝える。

 

知覚を脳に伝える神経経路を上行神経路とよび、脳と筋肉や臓器をつなぐ神経経路を下行神経路とよぶ。

 

脊髄損傷により、どの種類の神経が損傷を負ったかにより患者に現れる障害が異なる。足の筋肉につながる運動(求心性)神経が損傷を負った場合は、脳から筋肉に信号が送れないため、筋肉を動かすことができない。知覚(求心性)神経が損傷を負った場合は、脳は知覚器官から情報が得られない。脊髄損傷により複数の求心性神経と遠心性神経が損傷を受ける。

 

複雑な神経系の働き

神経は感覚、判断、及び反応の閉回路と考えることができる。体の複雑な反応に対応して、これらの神経が機能して、関係する筋肉や関節を動かす。

 

閉回路が脳の高度なレベルでの関与を必要としない場合がある。求心性神経は遠心性神経にも接続されている。この例が膝蓋反射である。膝頭の真下 (膝蓋腱) をたたくと,足が無意識に前方に跳ね上がる。すなわち、人間は考えることなく(中枢神経系の関与なく)、足を動かすことができる。

 

反応がより複雑になると、中枢神経系の高レベルの活動が必要になる。指の皮膚に散らばっている熱受容体は熱を検出する。熱い物にさわった場合、この熱の情報が脊髄に送られ、多くの神経をリレーして腕の筋肉に届く。筋肉は収縮し、脳は熱さを感じる。

 

脊髄損傷後、求心性神経と遠心性神経がどのように損傷を受けたかにより、患者は体を動かせるかどうかが決まる。