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医学よもやま話

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肺癌は腫瘍遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、及び成長因子の変化により発症

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肺癌の病理学  

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肺癌は長い年月をかけて多くのステップを経て増殖する。タバコの煙などの発癌物質により遺伝子に変異が起こり、細胞増殖の正常な制御メカニズムが機能しなくなる。肺癌は腫瘍遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、及び成長因子の変化により発症する。

 

腫瘍遺伝子

癌は腫瘍遺伝子により誘発される。正常な状態では、腫瘍遺伝子は細胞の増殖を行うが、放射線、発癌性化学薬品、発癌ウイルスなどの発癌因子に暴露されると、遺伝子に変異が起こり、細胞が悪性化する。

肺腺癌の30%で腫瘍遺伝子に変異が起こっているが、ほとんどは喫煙患者である。小細胞肺癌では腫瘍遺伝子に変異はほとんど生じない。

腫瘍抑制遺伝子

腫瘍抑制遺伝子としてp53、Rb、及び3pがよく知られている。喫煙はp53遺伝子に変異を起こす。肺に前腫瘍性病変があると、p53遺伝子に変異が検出される。非小細胞肺癌と小細胞肺癌のいずれにおいてもp53遺伝子に変異が生じている。

小細胞肺癌では、Rb遺伝子に変異があるか、欠失しているため、この疾患の90%でRbタンパク質が発現されない。非小細胞肺癌では、Rb遺伝子は正常に発現されるが、リン酸化されると、癌細胞が無制限に増殖する。

肺癌における遺伝子異常として染色体短腕の一部欠失3(3p)(p14-p23)が起こる。非小細胞肺癌の約50%で、小細胞肺癌の約90%で欠失が生じる。肺癌の多くでFHIT遺伝子(3p14.2)に異常が生じる。FHIT遺伝子が正常であれば腫瘍を抑制して細胞死を誘発する腫瘍抑制遺伝子として機能する。

 

成長因子

肺癌細胞から分泌される成長因子は周囲の細胞に影響を及ぼす(パラクリン刺激)。又は細胞の自立増殖を行わせる(自己分泌刺激)。細胞が自己分泌刺激を受けると、生物活性成長因子を分泌する。この成長因子が抗体に結合すると、細胞増殖が抑制される。

自己分泌成長因子により小細胞肺癌の癌細胞が増殖する。