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医学よもやま話

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肺癌の危険因子

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タバコだけでなく周囲の発癌物質に注意しなければ肺癌のリスクは無くならない

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タバコの喫煙と肺癌との関係

タバコの喫煙が肺癌の原因の約85から90%をしめている。タバコの煙には40種以上の発癌物質を含む。発癌リスクは1日に吸うタバコの本数、喫煙年数、喫煙開始年齢、煙の吸い込む程度、タバコに含まれるタールとニコチン含有量、及びフィルターの有無により異なる。

完全な非喫煙者(生涯を通して喫煙経験がない)の肺癌リスクを1と仮定すると、喫煙するタバコの数量が1日1箱以下、1箱、1から2箱、2箱以上ではそれぞれ肺癌リスクが15、17、42、および64と激増する。現在禁煙している人の肺癌リスクは禁煙期間により異なる。リスクを1.5から2.0に低下させるには30年間の禁煙期間が必要。

 

副流煙

周囲のタバコの煙(副流煙)によっても非喫煙者が肺がんにかかるリスクが増大する。副流煙のレベルは部屋の大きさや周囲の喫煙者の数により異なる。

肺癌の環境発癌物質

国際癌研究機関は発癌物質を次のように分類している。グループ1としてラドン、アスベスト、ヒ素、ベリリウム、ビス(クロロメチル)エーテル、カドミウム、クロミウム、ニッケル、塩化ビニル、及び多環芳香族炭化水素(PAH)。グループ2Aとしてアクリロニトリル、フォルムアルデヒド、ディーゼル排気ガス。

グループ2Bとしてアセトアルデヒド、シリカ、及び溶接時に発生するガス。肺癌の男性で9%、女性で2%が職業暴露によるものであると推定されている。

 

肺病の経験

タバコの煙は肺の組織に慢性的な炎症を引き起こし、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に至る。COPDにかかると肺癌リスクは約4倍に増加する。アスベストやシリカによる特発性肺線維症によっても肺癌のリスクは高まる。

 

食事要因

果物や緑黄色野菜の摂取を増やすと肺癌リスクは低下する。ビタミンAやEなどの抗酸化ビタミンの血中濃度が低下すると肺癌リスクが増大する。ベータカロチンをサプリメントとして摂取すると肺癌リスクが高まる。

食物油を過剰摂取しても肺癌リスクが上昇する。

 

性別による肺癌リスクの相違

女性喫煙者の腺癌及び小細胞肺癌のリスクは男性の1.2から1.7倍である。これは、肺癌増殖におけるエストロゲンなどのホルモンの影響、ニコチン代謝の男女間の差、タバコの煙における有害物の生体反応に関係するシトクロムP-450の男女間の差が考えられている。

 

遺伝

肺癌患者の1親等の血縁者は喫煙しなくとも肺癌のリスクが2から3倍高まる。2親等及び3親等の親族ではそれぞれ1.28及び1.14倍高くなる。肺癌患者の家系の非喫煙者は肺癌のリスクが2から4倍増加する。家系による肺癌のリスクは副流煙の影響又は環境発癌物質に対する遺伝的感受性によるものだとされている。