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補助化学療法

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補助化学療法は癌転移に対する保険である

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image:  アクラシノン(日本で開発されたアントラサイクリン系の抗がん性抗生物質)

 

補助化学療法とは

補助化学療法は癌治療の一種であり、化学療法と放射線療法又は化学療法と外科手術が組み合わせである。通常、補助化学療法は画像診断で検出されて癌を外科手術又は放射線療法で切除又は縮小させてから行われる。補助化学療法は検出できない癌細胞を死滅させるためにの治療法である。

 

補助化学療法の適応

乳癌切除手術時にリンパ管に癌細胞が検出されたとき、転移が疑われるとき、又は癌細胞のホルモン受容体の発現が陰性の場合に補助化学療法が行われる。

放射線検査で検出できる癌の治療と異なり、補助化学療法は癌の転移に対する保険として行われる。

 

補助化学療法の効果

初期乳癌の補助化学療法の効果は年齢と癌の状態により異なる。最も効果が大きいのは50歳未満の乳癌患者で15年癌死亡率が42%から32%に低減する。これに対して50から69歳では50%から47%に低減するにすぎない。

単剤による補助化学療法より複数の薬剤を使用した療法の効果が高い。効果の高い薬剤としてアントラサイクリン、タクサン、代謝拮抗薬、シクロホスファミドがあげられる。

補助化学療法の副作用

補助化学療法による薬剤の使用量の増大と体内への影響により副作用が起こる。副作用として吐き気、嘔吐、骨髄抑制、及び脱毛が生じる。すべての副作用は治療が終わると解消する。

標準的な補助化学療法により急性白血病にかかることがあるが、リスクは非常に低い。

 

コロニー刺激因子製剤

コロニー刺激因子は球系幹細胞を刺激して,成長を促進させる因子である。

この製剤を使用すると補助化学療法での治療期間が短縮可能であり、化学療法による合併症である好中球減少症を抑制する。しかし、赤芽球刺激製剤は薬剤性貧血患者に使用すると腫瘍の増大や局所再発リスクが高まる。閉経前の女性に投与すると閉経のリスクが生じる。これらのリスクは使用する薬剤と治療期間により異なり、40歳未満の女性乳癌患者では薬剤性閉経のリスクが増大する。