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医学よもやま話

医学情報をご提供します。

最新の放射線療法 ― 4次元放射線治療と定位放射線療法

癌治療 放射線療法

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正常な組織を害することなく、癌を短期に死滅させる

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credit:  4次元放射線治療装置Vero4DRT、三菱重工

 

放射線治療

放射線療法は癌細胞のDNAを直接破壊、又は遊離基を作りDNAを間接的に破壊して、癌細胞を死滅させる。普通の細胞と異なり、癌細胞は自己修復力を持たない。従来の放射線療法は精度が低く、正常な組織が放射線に曝されるため、少量の放射線を時間をかけて腫瘍に照射していた。正常な細胞は放射線により損傷しても自己修復力により回復可能であるが、少量の放射線でも癌細胞は死滅する。

 

4次元放射線治療

近年放射線療法は面の治療から時間的精度も向上させた4次元の治療に移行しており、より正確に癌細胞を死滅させる治療が可能になっている。癌のみに放射線を照射するため、照射量が増大でき、治療時間の短縮、正常な組織に対する悪影響の低減が可能になった。

 

定位放射線療法

従来の放射線療法では正確に腫瘍に放射線を照射できなかったため腫瘍周辺の正常な組織を含む大きな領域に放射線を照射せざるを得なかった。

定位放射線療法は小さな腫瘍に焦点を合わせて放射線照射を行うため、周囲の正常な組織には放射線の影響が少なくなる。焦点を合わせて大量の放射線を照射するため、治療時間と治療回数の削減が可能。一度または数度に分けてに大量の放射線の照射により、従来の長期の(約6週間毎日行われる)放射線量を漸増させる放射線療法より腫瘍に対する効果が大きい。

定位放射線療法では画像追跡と4次元CTスキャンにより腫瘍の領域を正確に計測して放射線照射を行うため、周囲の正常な組織への高線量の放射線照射が防げる。

CTスキャンの間、患者の呼吸がモニターされ、腫瘍と臓器の動き及び呼吸のパターンの関係付けが行なわれる。患者の呼吸に合わせて、腫瘍の位置が追尾され、放射線が精密に腫瘍に照射される。これにより、正常な組織への放射線照射が防止できる。

この放射線療法では多方向から放射線を精密に腫瘍に照射するため、腫瘍に最大の放射線の照射が可能。加えて、放射線の照射強度を変えることができ、腫瘍には強い放射線を照射し、周囲の正常な組織にはほとんど照射されないため、正常な組織に傷害は起きない。さらに、放射線は多方向から照射されるため皮膚の損傷も少ない。