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医学よもやま話

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乳癌のステージ、予後、及びマーカ

癌治療

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乳癌の治療効果も事前に分子レベルのマーカで予測可能

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乳癌のステージ - TNM分類

TNM分類では3つの基本要素から構成される。原発腫瘍(primary tumor = T)、所属リンパ節(regional node= N)、及び転移(metastasis = M)。添字で腫瘍の大きさ及び浸潤の程度を表す。0は検出不能、1,2,3,4と順に増大する。

近年では、腫瘍の影響と予後を正確に推定するために病理学的分類が行われている。

 

ステージ別の検査

ステージI又はIIの乳癌患者では症状が現れない。医療機関で行われる検査は血液検査と胸部放射線検査に限定される。ステージIII又はIVになるとCTや放射性核種スキャンにより肺、肝臓、及び骨の転移について広範な検査が行われる。

 

乳癌予後決定要因

早期乳癌の予後を決定付ける最も重要な2つの決定要因は病理学的なリンパ節の状態と腫瘍の大きさである。予後に影響するこの他の要因としてエストロゲン受容体α(ER)、プロゲステロン受容体(PR)、及びHER2タンパク質の発現がある。リンパ節の負荷の増大、組織グレードの低下、腫瘍の増大、ER及びPRの発現がなく、HER2が過剰発現すると予後は悪くなる。

治療予測マーカ

近年、乳がん治療を選択するための指針として予測マーカが開発されており、3種類のマーカER、PR、及びHER2が使用されている。浸潤性乳癌検査ではこれらのマーカが調べられる。ER、PR、又は両方を発現する腫瘍ではホルモン療法が有効。ERとPRの発現が無い腫瘍ではホルモン療法はほとんど効果がない。

 

乳癌の分子レベルでの分類

分子技術の進歩により乳癌を分子レベルでの分類が可能になった。転写プロファイリングにより乳癌は少なくとも5つの分子サブセットに分類できる。正常乳房、管腔細胞型A及びB、HER2、並びに基底細胞型である。

管腔細胞型はERを発現するが、管腔細胞型Aは予後が良好で管腔細胞型Bよりもホルモン療法に良く反応する可能性がある。基底細胞型はER、PR、及びHER2の発現がない腫瘍、いわゆるトリプルネガティブ乳癌であり容易に識別可能な分子標的を持たない。

これら遺伝子の発現を評価する多遺伝子アッセイは研究途上であるが、数種の遺伝子アッセイが臨床で使用されている。Oncotype Dxは早期のステロイド受容体のある患者の特定に役立つ。乳癌陽性で閉経後の女性の乳癌治療薬であるタモキシフェンで効果が期待できる。

2番目のアッセイはMammaprintで予後不良の若い乳がん患者の特定に有効である。